CS会場が“鬼門”になる可能性が!! 9勝でブレークの楽天・瀧中が抱える大きな課題

楽天生命パークではロッテを相手に5回2失点とまずまずの投球

 強い雨の中で行われた7月4日の試合では、ボールゾーンに33球を投じてボールが23球、相手が手を出してきたのが7球と、前回に比べればやや改善の兆しが見られた。しかし、初回には先頭打者から3人続けてボールコースの球を安打にされ、あっという間に2点を失った。速球、チェンジアップ、カットボール、シンカー、フォーク、カーブを使い分けていた4月1日とは異なり、この日は「速球、フォーク、スライダー」の3球種で投球を組み立てていた。ただし、被安打の内訳を見ると、4本がストレート、2本がフォーク、そして藤原恭大外野手に喫した本塁打がスライダーと3球種ともまんべんなく打たれ、配球の変化は奏功しなかったといえる。

 ZOZOマリンスタジアムは強風や雨の影響を受けやすく、投手にとってはしばしば難しい投球を強いられる球場でもある。投げ合った小島和哉投手も5回4失点で、雨に苦しんだ7月4日の試合はその典型的な例でもあるが、多彩な球種を生かし、打たせて取る投球術が持ち味の瀧中にとっては、ストライクとボールがはっきりしやすくなってしまうZOZOマリンはとりわけ相性が悪いと考えられる。

 逆に言えば、それ以外の球場において抜群の投球内容を見せていることは、そうした瀧中のピッチングスタイルや球の質は、パ・リーグの打者相手にも十分に通用していることの証左でもある。ロッテに対しても、本拠地で行われた4月15日の試合では5回2失点とまずまずの投球を見せている。楽天はZOZOマリンでの全日程を既に終了しており、次に瀧中が投げる可能性があるとすれば「パーソル CS パ」での登板ということになる。石井監督はそこを回避するのか、それとも瀧中の実力を信じて送り出すのか注視したい。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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