「松坂世代と言われて嫌がる人はいない」 鷹・平石コーチが明かす世代の絆の源

自身の引退記念Tシャツを纏い汗を流す西武・松坂大輔【写真:荒川祐史】
自身の引退記念Tシャツを纏い汗を流す西武・松坂大輔【写真:荒川祐史】

「まず野球で示してくれて、注目されて、それでも、プライベートでも変わらない大輔がいて」

 ソフトバンクの平石洋介1軍打撃コーチが19日、この日引退試合を迎える西武の松坂大輔投手への思いを吐露した。1998年の夏の甲子園ではPL学園の選手として延長17回の激闘を演じた“松坂世代”の1人。節目の時を迎え「本当に寂しいですよ。大輔もそういう時が来たか、と」としみじみと語った。

 PL学園から同志社大、トヨタ自動車を経て、2004年のドラフト7位で楽天に入団した平石コーチ。2011年に現役を引退すると、その後は指導者となり、2019年には世代で初めて監督に就任した。

“松坂世代”として注目された1人だった平石コーチは「松坂世代って、隅々まで全員は分からないですけど、それぞれ交流があって、大輔のことを悪く言う奴っていないんですよ。〇〇世代って、他の世代は分からないけど、きっとよく思っていない選手もいると思うんですよ。でも、松坂世代と言われることを嫌がる人はいない」と、誇りを明かす。

 その最大の要因が、松坂の人柄だという。「大輔の人柄であったり、まず野球で示してくれて、注目されて、それでも、プライベートでも変わらない大輔がいて。だから、みんな大輔が好きで松坂世代と言われることになんとも思わない。それで注目されていることも多いし、感謝していることも多いんです」。世代の中心とされながら、いつでも、どんな時でも変わらぬ人間性が松坂世代の中心にあるという。

 引退を決断したあとに、連絡をとったという平石コーチ。その内容については「言えない」と伏せたものの「プロに入る前からあれだけ世の中で注目されて、1年目から成績残して、野球やってない人でも大輔の名前を知っている。日本国民の多くが知っている中で、いい思いもしたでしょうし、苦しい思いもかなりしていると思う。後半は思うように投げれない、故障もあって、最後の最後まで苦しかったと思う。簡単に言葉は見つからないですけど、心と体を労って欲しいですね」と23年間戦ってきた仲間を労っていた。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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