日本ハムが稲葉篤紀氏をGMに迎えたワケ 球団社長が語る4つの秀でた能力とは

日本ハムの新GM就任会見に臨む稲葉篤紀氏【写真:石川加奈子】
日本ハムの新GM就任会見に臨む稲葉篤紀氏【写真:石川加奈子】

川村球団社長は「情熱」「知見」「眼力」「ネットワーク」を招聘理由に挙げた

 日本ハムのゼネラルマネージャー(GM)に就任した稲葉篤紀氏が27日、札幌市内で会見を行った。同席した川村浩二球団社長兼オーナー代行は、今夏の東京五輪で侍ジャパンを金メダルに導いた稲葉氏の「情熱」「知見」、「眼力」、「ネットワーク」の4つを招聘理由に挙げた。

 侍ジャパン監督の経験と実績が決め手になった。稲葉氏は4年間2か月の任期中、個々の力量やコンディションを見極めるため、12球団を視察して選手や関係者と会話を重ねた。その上で勝つためのチーム編成を自ら行い、重圧の中で金メダル獲得という結果を残した。川村社長は「野球に対する情熱、知見、眼力、球界のネットワークを考えると適任と考え、お願いしました」と説明した。

 初代GMの高田繁氏、2代目の山田正雄氏が退任後は吉村浩チーム統轄本部長がGMを兼任していたが、球団はチーム強化のためには専任GMが必要と判断した。吉村チーム統轄本部長の負担を軽減すると同時に、もう一つ狙いがあった。川村社長は「野球の見方や考え方というものに、多角的な角度を加えたいということで専任GMを考えておりました」と明かした。

 現場に新しい風を吹き込むことになる稲葉氏には、スカウティングと育成で勝つという球団の基本方針を実践しながら、トレードなど戦力補強面でも期待がかかる。川村社長は「12球団からいろいろな選手を集めてくる眼力に磨きをかけ、トレードでは12球団にあるネットワークも生かして、ぜひとも稲葉氏が在籍していた時の強いファイターズを復活させていただきたいと思います」と再建を託した。

 北海道移転19年目を迎える来季は札幌ドーム最終年となり、23年には北広島市に建設中の新球場開業が待っている。川村社長は「新GMにあまり拙速な成果を求めることは酷ですが、我々も彼を全面的にサポートしながらファイターズの新しいステージを迎えたいと思っています。稲葉氏と言えば、全力疾走です。GMとして全力疾走していただきたいと思っています」と期待の大きさを口にした。

 北海道移転後に日本ハムの選手として4度リーグ優勝を経験している稲葉氏は「常勝軍団、長い間強いチームを目指さなければいけないですし、道民の皆さん、全国のファイターズファンに本当に応援されるチームをまた目指していかなければと思っています」と決意を語った。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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