スーツを脱ぎ捨て、対話を重視 日本ハム・稲葉篤紀氏は“動きまわる”GMに
オリックス、ヤクルトも最下位からのV、来季こそ…
大切にするのは、侍ジャパン監督時代と同様、コミュニケーションだ。スカウティングと育成で勝つという方針が以前ほどうまく機能していない状況の中で「もう1度育成の部分をしっかり築き上げなくてはいけない」と語る。そのために選手やコーチと積極的に会話し、選手の考え方とチーム方針をすり合わせながら、個々の成長、そしてチームの成長につなげる。
チームは3年連続Bクラスと低迷している。「非常に若いチーム。まだまだ自分のレベルアップで精一杯という中で、前に進んでいると感じています。この悔しさをどう生かすかが大事。秋季キャンプやオフの過ごし方といったところを含め、選手に話をして、来年は最下位から優勝という本当に難しいチャレンジをしていきたいと思います」と決意を語った。
川村浩ニ球団社長兼オーナー代行からは「あの頃の強さを取り戻してほしい」と託された。「私はFAでファイターズにとっていただき、ここまで育てていただきました。その恩を少しでも返せたらという気持ちで引き受けました」と男気を見せた稲葉氏。選手としてヤクルトで3度、日本ハムで4度優勝を経験し、監督として侍ジャパンを金メダルに導いた経験の全てをチーム再建に注ぐ。
(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)