オリックス3度の優勝見届けた用具担当 甲子園Vドラ1も僅か1勝…裏方で支えた33年間

オリックスの用具担当を務める松本正志氏【写真提供:オリックス・バファローズ】
オリックスの用具担当を務める松本正志氏【写真提供:オリックス・バファローズ】

「選手たちが本当に野球を楽しんでいる。真面目な子ばかりでチームワークもいい」

 裏方として優勝を見届けたのは1995、96年のリーグ連覇を含め3度目。黄金時代だった当時は仰木彬監督の元、イチロー、田口壮ら若手が躍動しベテランの福良淳一(現GM)、中嶋聡(現監督)らがチームをまとめていたが「今のチームも似たところを感じますね」と語る。

 明るい雰囲気、長所を生かす指導法、そして若手とベテランの融合……。猫の目打線、レギュラーを固めず選手を起用し勝利を重ねた“仰木マジック”と現在の中嶋オリックスを比べ「選手たちが本当に野球を楽しんでいる。真面目な子ばかりでチームワークもいい。個々がやるべきことを分かっていると思いますよ」と目を細める。

 黄金時代の再来にも期待を込めている。山本由伸、吉田正尚と日本を代表する投打の2人が君臨するチームに「実力もそうですが、人間的にも素晴らしい2人。どれだけ成績を残しても変わることはない。いい流れをチームに残してくれると思う」と確信している。

 プロとしては成績を残せなかったが、体が動く限り職務を全うするつもりだ。「私もこの仕事をいつまで出来るか分からない。今はコロナ禍で厳しいがもう1度、家内を優勝旅行に連れて行ってあげたい。来年も強いチームを見ていたい、それが夢ですね」と連覇に期待している。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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