長期契約はハイリスクか? 直後に成績下降の例も、5年以上“大型契約”の結末は

ソフトバンク・柳田悠岐、楽天・則本昂大、ヤクルト・山田哲人(左から)【写真:荒川祐史】
ソフトバンク・柳田悠岐、楽天・則本昂大、ヤクルト・山田哲人(左から)【写真:荒川祐史】

史上初めて7年契約を結んだのはソフトバンクの松中信彦

 DeNAの宮崎敏郎内野手が29日、6年契約に合意し、FA権を行使せずにチームに残留することを表明した。長期の複数年契約はFAなどで流出することを防ぐのに役立つ一方で、怪我や不振などで期待通りの活躍ができないリスクも伴う。過去にあったNPBにおける5年以上の長期契約はどのようなものだろうか。(金額は推定)

 MLBでは、2020年にパドレスが当時22歳のフェルナンド・タティスJr.内野手と14年総額3億4000万ドル(約360億円)という超大型契約を結んだが、NPBでの最長は巨人がチョ・ソンミン投手と結んだ8年契約が最長。日本人では2006年に、ソフトバンクの松中信彦内野手がNPB史上初めての7年契約を結んだ。

 2004年に平成唯一の3冠王を獲得し、翌2005年も打率.315、46本塁打、121打点で、本塁打王と打点王の2冠を獲得。同年オフに年俸5億円プラス出来高の7年契約を結んだ。2006年には打率.324、19本塁打、76打点と活躍したが、それ以降は怪我にも苦しみ、規定打席を超えて3割を記録することはなかった。

 現役選手を除き、これに続く長期契約を結んだのが、三浦大輔投手(現DeNA監督)だ。横浜時代の2002年にその年4勝10敗と大きく負け越しながらも、オフに6年契約を結んだ。契約3年目に12勝(9敗)、5年目に11勝(13敗)と2桁勝利を挙げている。5年契約になると過去にも多く例がある。日本ハムからFAで阪神に移籍した片岡篤史内野手は、2002年から5年契約を結んだが、徐々に成績を落として、5年後の2007年に現役引退。また、ロッテの鳥谷敬内野手は阪神時代に2015年から5年契約を結んだ。

 一方で、契約最終年まで結果を残した選手もいる。1999年から5年契約を結んだヤクルトの古田敦也捕手は、5年間で3度の3割、契約最終年も23本塁打を放っている。巨人の清原和博内野手も怪我に苦しんだ年もあったが、最終年で打率.298、29本塁打、121打点の成績を収めている。他にも中日の井端弘和内野手、荒木雅博内野手、森野将彦内野手も2009年から5年契約を結び、2010年、2011年の日本一に貢献した。

 現役の最長はソフトバンク・柳田悠岐外野手、楽天・則本昂大投手、ヤクルト・山田哲人内野手の7年。DeNA・宮崎の6年、巨人・陽岱鋼外野手、丸佳浩外野手、坂本勇人内野手の5年と続く。ハイリスク、ハイリターンの長期契約。来季以降、長期大型契約を結んだ選手がどのような結果を残すのか、注目が集まる。

【過去の大型契約】成績が下降したケースも…実力者たちの成績推移

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY