「嫌われて当然と思って…」 日本ハム栗山監督、選手と接した10年間の厳しさと愛情

杉谷の乱入に「頼むよ! 後輩たちを!」

 北海道に移転した2004年からの歴史を振り返り「本物のプロフェッショナルでなければ、長い間応援してもらえないんだということを選手たちは分かったと思う。喜んでもらえるような勝利だったり、姿だったり。そういったものがなければダメだというのは今の状況を見て、本当に分かっているはずなんだよね」と語る。

「満員の球場で野球をやることがどれだけ力にるかということも分かっているはず。そのためには、今いる選手たち、中心になっていく選手たちが、その責任を果たさなければいけない。そのことはしっかり伝えたつもりだし、ずっと言い続ける」と栗山監督は力を込めた。

 40分間の会見を終えて球団職員から花束を受けると「ちょっと待った! 監督! 元気出してくださいよ!」と杉谷拳士内野手のサプライズ乱入があった。会見の中で就任2年目に9連敗した時、エレベーターで一緒になった杉谷から「監督、元気出してくださいよ」と気を遣われたことを思い出の一つに挙げていた栗山監督は、思わず相好を崩した。

 ここから即席の掛け合いがスタート。「今度から栗山さんって言えばいいですか?」と杉谷が言えば、栗山監督は「クリは止めた方がいいな。ムッとするから」と返す。「花束を見ると拳士を思い出す。(試合前の花束贈呈を受けるのは)9割方、拳士だった」と栗山監督が言えば、杉谷は「(出場)試合数より、花束の回数の方が……」とボケてみせた。花束と感謝の言葉を贈る杉谷に「頼むよ! 後輩たちを!」と思いを託し、監督しての最後の仕事を終えた。

(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)

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