牧、栗林、伊藤…投打でルーキーが躍動した10月 セイバー的視点で見るセ月間MVP

広島・栗林良吏、DeNA・牧牧秀悟、阪神・伊藤将司(左から)【写真:荒川祐史】
広島・栗林良吏、DeNA・牧牧秀悟、阪神・伊藤将司(左から)【写真:荒川祐史】

10月の阪神は投手陣が充実、貯金6の広島は打撃好調だった

 ヤクルトが6年ぶり8度目の優勝を果たした今年のセ・リーグ。シーズン最終盤は大混戦の戦いとなった。そんな10月の「月間MVP」をセイバーメトリクスの指標で選出してみる。まず、各チームの月間成績は以下の通りだ(広島とヤクルトは11月1日の試合も含む)。

〇広島:13勝7敗1分、打率.280、OPS.746、本塁打17、先発防御率3.45、QS率66.7%、救援防御率3.45

〇ヤクルト:13勝8敗2分、打率.240、OPS.684、本塁打19、先発防御率3.70、QS率26.1%、救援防御率3.45

〇阪神:12勝5敗3分、打率.244、OPS.644、本塁打12、先発防御率1.48、QS率55.0%、救援防御率1.90

〇DeNA:6勝11敗2分、打率.258、OPS.701、本塁打9、先発防御率3.83、QS率63.2%、救援防御率2.43

〇中日:5勝11敗1分、打率.223、OPS.544、本塁打4、先発防御率4.03、QS率47.1%、救援防御率2.67

〇巨人:4勝11敗3分、打率.220、OPS.649、本塁打16、先発防御率3.52、QS率47.1%、救援防御率2.67

 優勝に向けてデッドヒートを繰り広げたヤクルトと阪神。阪神は先発、救援ともに1点台の防御率というディフェンス力で猛追した。対してヤクルトのQS率は26.1%。投入した投手は1試合平均4.8人とスクランブル態勢で戦い抜き、優勝を掴み取った。広島はチームOPS.746の攻撃力が光った。

「月間MVP」の選出基準は打者の場合、得点圏打率や猛打賞回数なども加味されるが、基本はNPB公式記録が用いられる。ただ、打点や勝利数といった公式記録は、セイバーメトリクスでは個人の能力を如実に反映する指標と扱わない。そのためセイバーメトリクス的にどれだけ個人の選手がチームに貢献したかを示す指標で選べば、公式の月間MVPとは異なる選手が選ばれることもある。

巨人丸はOPS1.253、DeNA牧は月間打率.452

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY