日本Sでプロ初完封「まさかあの高橋奎二が…」 2軍時代の苦労知る燕OBが要因を分析

安達に与えた2四球のみ、無駄な四球減り「シーズン中通りの投球」

 高橋は今季後半から調子を上げ、レギュラーシーズンは14試合で4勝1敗、防御率2.87。野口氏は「急成長した要因は、無駄な四球が減ったこと。ストレートだけでなく、スライダー、チェンジアップなどの変化球で、ストライクを取りたい時に取れるようになりました。高津監督は今季、投手陣に対して逃げずにストライクゾーンで勝負することを強く求めているそうです。高橋はまさにそれを実践している」と分析。「この日も、安達に粘られて与えた2四球だけ。シーズン中通りの投球でした」と評した。

「僕自身も、あの高橋奎二が日本シリーズで完封するなんて……と感慨深いものがある」と野口氏は言う。プロ2年目の2017年、若手成長株として期待されながら左肩を痛めてリハビリ生活を送り、それが癒えたと思ったら今度は腰痛を発症した。当時の2軍監督が高津現1軍監督、2軍バッテリーコーチが野口氏だった。「当時2軍で苦労している姿を見ていた。高津監督の感激もひとしおだと思います」と語る。

 ヤクルトは前日の第1戦で、9回に守護神のマクガフが2点リードを守り切れずに逆転サヨナラ負けを喫していた。野口氏は「高橋が完投したことによって、ショックを引きずるマクガフに移動日の22日を含めて2日間、リセットの猶予を与えることができた。これも大きい」とチームへの好影響を強調する。シリーズの流れを引き戻す、大きな完封劇となった。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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