「一昨年、昨年とは違う」 元捕手が感じ取った日本シリーズ、勝負の“舞台裏”
ソフトバンクは一昨年は坂本勇人、昨年は岡本を徹底マークした
一昨年の坂本はシーズンMVP、昨年の岡本は本塁打と打点の2冠王に輝き、打線の核だったが、日本シリーズではいずれも打率.077(13打数1安打)に封じ込まれている。ソフトバンクが2年連続で巨人に1勝もさせなかった背景には、これがあった。
「千賀に160キロ近い剛速球があったからこそできた芸当とも言えますがね……」と野口氏。今年の顔ぶれは、今夏の東京五輪で侍ジャパンのエースを張った山本はともかく、他の3投手は球威抜群とはいえ、比較的キャリアの浅い若手だ。
さらに、第1戦と第2戦でマスクをかぶったヤクルト・中村は2015年にも日本シリーズを経験しているが、ソフトバンクに1勝4敗で完敗。オリックスの若月(第1戦)と伏見(第2戦)は初出場だ。シリーズ全体を視野に入れて、ではなく、一戦必勝で臨んだのかもしれない。
周知の通り、日本シリーズは故・星野仙一氏が楽天を率いて巨人を破った2013年以降、パ・リーグ球団が8連覇中。これまでと違う様相が、パ・リーグ絶対優位の傾向をも変えるのかどうか。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)