オリの救世主ジョーンズが開いた新境地 メジャー通算282発→代打の神様に

オリックスのアダム・ジョーンズ【写真:荒川祐史】
オリックスのアダム・ジョーンズ【写真:荒川祐史】

四球で出塁する確率が米国時代の3倍近くに

 25日に行われた「SMBC日本シリーズ2021」第5戦で、9回に代打決勝弾という劇的な一撃を放ったオリックスのアダム・ジョーンズ外野手は、米国でもスーパースター。球宴出場5回、外野手部門でのゴールドグラブ受賞4回など華麗な実績を誇る。オリックスで2年目を迎える今季は代打での出番が増え、新たな役割に適応している。

 ジョーンズは今季、代打で37回起用され28打数12安打、打率.429という驚異的な数字を残している。さらに9つの四死球を得ており、出塁率は.568。実に2打席に1回以上のペースで出塁するという破天荒な数字を残してきた。

 元々は大きなスイングで長打を量産するバッターだ。2006年にマリナーズで大リーグデビューを果たしたジョーンズは、2008年に移籍したオリオールズでレギュラーとなった。2019年にダイヤモンドバックスへ移籍し、大リーグ通算14年で1823試合に出場、282本塁打945打点で打率.277。キャリア最高の成績を残した2013年には160試合に出場、打率.285、33本塁打108打点で“打撃のベストナイン”といえるシルバースラッガー賞に選出された。一方で三振も多かった。

 大リーグでは高い身体能力を生かした好守も武器だった。主に中堅を守り、ゴールデングラブを4回受賞、さらに米国代表として優勝した2017年のWBC、ドミニカ共和国との一戦でスタンドインしようかという打球をジャンプ一番もぎ取った“ホームランキャッチ”は語り草だ。

 ただ、オリックス入りしてからは下半身のコンディション不良に悩まされ、守備に就く機会は大幅に減った。今季は代打という新たな役割で、チームの快進撃を支える。全打席に占める四球の割合を示す「BB%」が昨季の9.5%から、今季は12.2%に増えた。しっかりボールを見ての打撃は、大リーグ時代と全く違ったスタイル。大リーグ通算14年間の「BB%」は4.5%でしかない。全く違ったアプローチを取るようになったのも、高い技術のなせる技だ。

(Full-Count編集部)

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