「ジョーンズと川端どちらが怖い?」日本S“代打の神様対決”元捕手の見解は?

先頭なら一発のあるジョーンズ、得点圏なら川端

 一方の川端は、第1戦から第4戦まで、これといったチャンスが訪れず出番なし。第5戦では1点ビハインドの9回裏、1死一塁で代打に指名され、相手の守護神・平野の高めに浮いたフォークをとらえると、打球は右翼席へ向かって舞い上がった。日本一を決める逆転サヨナラ2ランかという当たりだったが、フェンス際で失速し右飛に終わった。

 こちらは、2015年に打率.336で首位打者を獲得した実力者。2017年に椎間板ヘルニアの手術を受けた影響などで、現状では守備に就くのは難しいが、一振り人生に活路を見出している。「ミートポイントが体に近く、長くボールを見ることができるので、選球眼がいい。バットコントロールも抜群で、ファウルで粘ることもできる。相手バッテリーから見ると非常に打ち取りにくい、嫌な打者です」と野口氏は“捕手目線”で解説する。巨人とのCSファイナルステージ第2戦では、川端が2死満塁で精密な制球力を誇る菅野から押し出し四球をもぎ取った場面が象徴的だった。

 野口氏は「今シリーズの第6、第7戦は指名打者制が採用されますが、今の川端なら、なまじ4打席立たせるより、ここぞのチャンスに代打で使いたい。それくらい勝負強い打者です」と付け加えた。

 ならば、ジョーンズと川端を比べると、相手バッテリーにとってはどちらの方が怖いのか。野口氏は「それは状況によって違いますよ。イニングの先頭なら、一発のあるジョーンズの方が不気味。得点圏に走者がいる場面なら、川端の方が嫌です」と答えた。右打者のジョーンズと左の川端。持ち味も異なる2人の一振りが、近年まれに見る激戦となっている日本シリーズに決着をつけるか。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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