日本S第6戦以降のキーマンは? 専門家が分析するヤクルトとオリックスの鍵

オリックス・山本由伸、宮城大弥、ヤクルト・奥川恭伸、高梨裕稔(左から時計回り)【写真:荒川祐史】
オリックス・山本由伸、宮城大弥、ヤクルト・奥川恭伸、高梨裕稔(左から時計回り)【写真:荒川祐史】

オリックスは山本、宮城の先発が予想され「ヤクルトは先発が役割重大」

「SMBC日本シリーズ2021」はヤクルトが3勝2敗でオリックスをリードし、27日からは、舞台をほっともっとフィールド神戸に移して行われる。史上稀に見る大激戦となっている今年の日本シリーズ。日本一の行方を左右しそうな両チームのキーマンは誰か。現役時代にヤクルト、日本ハムなど4球団で捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏が分析した。

 オリックスの中嶋聡監督は25日に行われた第5戦の試合後に、お立ち台で第6戦の先発をエースの山本由伸投手と明言した。野口氏は「山本も、第7戦先発が予想される宮城も、相手打線にとっては点を取ることがなかなか難しい投手。だからこそヤクルトは、投手陣の踏ん張りが鍵になる。特に先発投手の役割は重大です」と指摘した。

 ヤクルトは21日の第1戦に先発し、7回1失点と好投した奥川恭伸投手が中心となるが、シーズン中は最短でも中9日以上の間隔を空けて先発してきた。第6戦に先発するとすれば中6日、第7戦だとしても中7日となり、未知の領域となる。22日の第2戦で5安打完封を成し遂げた高橋奎二投手も、プロ入り後最多の133球を投げており、回復度合いは未知数と言える。

「第6戦の先発にはシリーズ初登板となる高梨裕稔投手をあて、奥川を第7戦にスタンバイさせる可能性が高い。高梨は好調時でも手痛い1発を食らうことがあるところ(今季は12試合で被本塁打11)が不安材料ではあります。短い間隔での先発となる奥川は対応力が試されます」と野口氏は語っている。

 一方のオリックスはどうか。「2番を打つ宗が当たっている(今シリーズ打率.311)。3番の吉田正も打率こそ、いまひとつ(同.227)だけれど、ここぞのチャンスでは強い。4番の杉本も好調(同.300)。となると、8、9、1番あたりでいかにチャンスを作り、宗以下へと繋げるかが鍵だと思います。早めに点を取って山本、宮城を楽に投げさせたいところでしょう」と同氏は読む。

 25日の第5戦では、33歳のベテラン安達了一内野手に代わって、高卒3年目・20歳の太田椋内野手を「8番・二塁」に抜擢した中嶋監督。7回に勝ち越し適時三塁打を放つなど2安打1打点とこの起用が見事に的中した。野口氏は「指名打者制が採用される第6戦は、太田か捕手の若月が9番に入ると思うが、1番にいかに繋げるかは結構重要です」と強調した。第5戦までは全て2点差以内で決着。最後の最後まで、一瞬たりとも見逃せないシリーズとなりそうだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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