燕日本一で光った高津監督の“ぶれない姿勢” 失敗続きの守護神を使い続けた理由

胴上げされるヤクルト・高津臣吾監督【写真:共同通信社】
胴上げされるヤクルト・高津臣吾監督【写真:共同通信社】

第1戦、第5戦で失点でも絶対的な信頼

■ヤクルト 2ー1 オリックス(日本シリーズ・27日・ほっと神戸)

 ヤクルトが2001年以来、20年ぶりの日本一に輝いた。オリックスとの「SMBC日本シリーズ2021」は27日、ほっともっとフィールド神戸で第6戦が行われ、延長12回、試合時間5時間の激闘の末に2-1で勝ち、4勝2敗で栄冠を手にした。1-1で迎えた12回、代打の切り札の川端慎吾内野手が2死二塁から決勝の左前打。スコット・マクガフ投手は10回2死からマウンドに上がり、2回1/3を無安打4奪三振1死球無死点で封じ、胴上げ投手となった。勝利を引き寄せた守護神投入のタイミング。現役時代にヤクルト、日本ハムなどで捕手として活躍し、ヤクルトでバッテリーコーチを務めた経験もある野球評論家・野口寿浩氏が分析した。

 マクガフは、第1戦では最終回に2点リードを守れず逆転サヨナラ負け。第5戦でも同点の9回に登板して先頭の代打・ジョーンズに決勝ソロを被弾。背信投球が続いていた。それでも高津監督の信頼は揺るがなかった。この日、1-1の同点で迎えた延長10回、左打者の宗、吉田正を左腕の田口が抑えると、右の4番・杉本に対してマクガフを投入。右腕はスプリットとカットボールでカウントを2-2とし、5球目には内角低めいっぱいに151キロ速球を投げ込んで、見送り三振に切って取った。

「高津監督自身、現役時代はクローザーを務めていた。だからこそ、自分がクローザーを任せた投手には絶対的な信頼を置いているということです」と分析した野口氏。現役時代に日米通算313セーブ、1年ずつプレーした韓国、台湾での数字を含めれば347セーブを挙げた名クローザーの指揮官は、誰よりもクローザーの心境を熟知していたのだ。

マクガフはシーズン中、回またぎすら一度もなし

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