源田は異次元の“22.9”、オリ宗は惜しくも三塁手2位…データで「パGG賞」を選出

西武・源田壮亮【写真:荒川祐史】
西武・源田壮亮【写真:荒川祐史】

総合的な守備指標「UZR」を用いた“データ版”ゴールデン・グラブ賞

 2日に発表される「2021年度 第50回三井ゴールデン・グラブ賞」。選手たちにとっては“名手の称号”となる。新聞社やテレビ局などで5年以上の取材キャリアがあるプロ野球担当記者の投票で決定。守備率やエラー数などだけではなく、セイバーメトリクスの観点から選出すると結果はどうなるのか見てみたい。今回はパ・リーグ編。

 用いた指標は、守備全般での貢献を示す「UZR(Ultimate Zone Rating)」。リーグにおける同じ守備位置の平均的な選手が守る場合に比べて、守備でどれだけの失点を防いだかを表す。セイバーメトリクスの指標を用いて分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータを参照した。

 セ・リーグも含めて群を抜いた数値を叩き出しているのが、遊撃手部門の源田。言わずと知れた球界の名手は「22.9」と圧倒的だった。「8.3」で次点だったソフトバンクの今宮健太とも大差に。実際の4年連続受賞は揺るぎなさそうだ。

 超ハイレベルな争いが繰り広げられたのが三塁手部門。トップの茂木は抜群の数値ながら、2位だったオリックスの宗佑磨も「11.9」。抜群の身体能力で好プレーを連発してきた姿は、データにも着実に反映されていた。

 球団別でみると、ロッテと楽天が最多3部門。ソフトバンクが2部門で続いた。リーグ制覇のオリックスは、日本ハムとともにデータ上では“無冠”に。2020年の実際の受賞者と比べると、甲斐、中村晃、源田以外は顔ぶれが変わっている。

 果たして投票では似たような結果になるのか、それとも大幅に異なるのか――。“2021年の守備”を象徴する面々に注目が集まる。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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