米野球殿堂が「時代委員会」による選出6人を発表 ニグロリーグ出身者の名も

米国野球殿堂入りしたバック・オニール氏(2005年撮影)【写真:AP】
米国野球殿堂入りしたバック・オニール氏(2005年撮影)【写真:AP】

黒人で構成「ニグロリーグ」の記録が大リーグのものとされてから1年

 米国野球殿堂は5日(日本時間6日)元選手らで構成される「時代委員会」によって今季殿堂入りする6人を発表した。大リーグ通算370本塁打のギル・ホッジス氏らとともに選出されたのが、バック・オニール、バド・ファウラーの両氏。この選出は、大リーグ機構が黒人で構成されたニグロリーグの成績を大リーグの成績と同一に扱うようになったことが背景にあると米メディア「ジ・アスレチック」が指摘。野球の歴史を考える上で、大きな前進だ。

 米国野球殿堂では、記者による投票とは別に、選出から漏れた功労者を対象とした「時代委員会」による選出がある。今年はフロリダ州オーランドで会議が開かれ、バック・オニール、ギル・ホッジス、ジム・カート、ミニー・ミニョソ、トニー・オリーバ、バド・ファウラーの6氏が栄誉を受ける。

 このうちファウラーとオニールは、1950年以前に球界に貢献した人を対象とする「アーリー・ベースボール時代」委員会で、候補者10人の中から選出された。「ジ・アスレチック」の報道は、オニール氏が1962年にカブスで大リーグ史上初めての黒人コーチとなったこと、またファウラー氏は1800年代後半に投手、二塁手としてプレーし、しばしば初の黒人プロ野球選手と認識されていることに触れている。

 ニグロリーグの成績を、大リーグの公式記録と同一に扱うと発表されてから1年。2氏の殿堂入りは、顧みられることが少なかったこのリーグに光を与えるものだ。ミニョソ氏も、1949年にインディアンスで大リーグデビューする前の1946年から3年間、ニグロ・ナショナルリーグのニューヨーク・キューバンズでプレーしていた。

 ホッジス、カート、ミニョソ、オリーバの4氏は、1950~69年に球界に貢献した人が対象の「ゴールデン・デイズ委員会」で選出された。

 ホッジス氏は1943年からドジャースとメッツで一塁手として18年プレー、8度の球宴選出に加えゴールドグラブも3度受賞している。のちにセネタース(現レンジャーズ)とメッツで監督を務め、1969年には“ミラクル・メッツ”を初の世界一に導いた。またカート氏はセネタース、ツインズなどで25年プレーし、通算283勝。オリーバ氏はツインズで15年プレーし、3度の首位打者に輝いている。

(Full-Count編集部)

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