102敗の最下位球団はなぜ魅力的? 総額638億円でFA注目選手を次々獲得できたワケ

レンジャーズと契約合意したコーリー・シーガー【写真:Getty Images】
レンジャーズと契約合意したコーリー・シーガー【写真:Getty Images】

「充実した球団施設」「監督とGM」「未来への展望能力」が大きな要因だったという

 今月2日にロックアウトに突入したメジャーリーグ。選手契約も凍結された状態だが、ここまで積極的な動きを見せているのが今季ア・リーグ西地区最下位に沈んだレンジャーズだ。コーリー・シーガー内野手、マーカス・セミエン内野手らFAの有力選手を次々と獲得。総額約638億円の大補強を敢行している。今季102敗を喫した球団はなぜ、補強に成功したのか。米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」が分析している。

 レンジャーズは11月28日(日本時間29日)にセミエンと7年総額1億7500万ドル(約199億円)、ジョン・グレイ投手と4年総額5600万ドル(約64億円)、コール・カルフーン外野手と1年520万ドル(約5億9000万円)で契約に合意。翌29日(同30日)にはシーガーと10年総額3億2500万ドル(約369億円)で合意した。この2日間でまとまった契約は総額5億6120万ドル(約638億円)に及んだ。

 今季のチーム成績は60勝102敗。地区最下位に沈んだ球団がどうして大型補強に成功にしたのか。記事によると、「充実した球団施設」「レンジャーズが面談に送った人々」「輝く未来の展望を示す能力」の3つが大きな要因になり、さらに球団が獲得資金を惜しまなかったことが交渉をセカンドステップへ推し進めたとしている。

 交渉ではクリス・ウッドワード監督とクリス・ヤングGMがリードを取ったという。ジョン・ダニエルズ編成本部長は「彼ら(ウッドワード監督とヤングGM)の評判、例えば彼らのプレーの仕方、マネジメントの仕方、コミュニケーションの取り方といったものは別次元で選手と共鳴していると思う。選手は彼らの評判や、彼らが何を評価しているかを知っている。選手たちと話している様子を見れば明らかだった。それはとても大きなことだった」と語っている。

 シーガーは会見でウッドワード監督がいることが決断の大きな理由の1つだったと明かした。セミエンも会見でレンジャーズの球団施設の充実ぶりに驚いたことを明かした他、GM、監督、編成本部長の名前を挙げ、交渉での話に感銘を受けたと述べている。フロントがチームの現状と展望を選手に正直に透明性を持って示したことも選手から評価されているという。

 また、シーガーとセミエンの代理人はともにスコット・ボラス氏で、2人は2013年アリゾナ・フォールリーグで一緒にプレーした。2人にとってはチームメートになれるということが大きなセールストークでもあったようだ。ボラス氏は「マーカス(セミエン)がここ(レンジャーズ)と契約する時、1日に3度もコーリー(シーガー)も確実にここ(レンジャーズと)と契約するように電話してきたんだ」と冗談交じりに語っている。

(Full-Count編集部)

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