新人史上4人目の打率3割+20発も「1から」 DeNA牧秀悟にまだ残る“伸びしろ”とは?

「疲れを感じる時期に、いかに成績を保つかが大事」

 新人の「打率3割+20本塁打以上」は、史上わずか4人目の快挙。過去の達成者のうち、巨人・長嶋茂雄は1年目(1958年)の打率.305、29本塁打から、2年目(59年)に.334(首位打者獲得)、27本塁打へ成績を伸ばした。しかし、西武・石毛宏典は.311、21本塁打(1981年)から、.259、15本塁打(82年)へ。西武・清原和博も.304、31本塁打(1986年)から、.259、29本塁打(87年)へと成績を下げた。やはり他球団の研究を跳ね返すのは容易なことではない。

 牧は「4月末から夏場へ向けて少し調子を落とし、非常に疲れを感じました。いかにその時期に成績を保てるかが大事だと思う。ケアをしつつ、トレーニングをしっかりやって体を作っていきたい」と自身の課題を挙げた。逆に言えば、そこにまだ伸びしろがあるということだ。もっとも、年末のこの時期に至っても、1月の自主トレをどこで、誰と行うか未定。「正直言って決まっていない。すごく迷っています」と明かす。オフの過ごし方は来季の成績に大きな影響を与えるだけに悩みどころだ。

 守備面では格段のレベルアップを目指す。今季は二塁を102試合(スタメンでは98試合)、一塁を67試合(スタメン26試合)守った。試合終盤の守備固めでは、ソトに代わって一塁へ回り、二塁を守備の名手の大和、柴田らに任すケースが多かった。「自分としてはセカンドでずっと出続けたい。守備範囲はそれほど広くありませんが、捕れる打球をしっかりアウトにすることを極めていきたい」と強調する。

「今季はチーム自体が最下位に終わってしまったので、チームとして勝っていきたいですし、個人としてもチームのためにもっと頑張りたい」と語った牧。攻守を磨き、来季以降はヤクルト・山田、広島・菊池涼とベストナインやゴールデン・グラブ賞を対等に争ってほしいものだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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