佐々木朗希を導いた「勝てる捕手」の存在 ロッテはなぜ加藤匠馬を起用したか?

2021年シーズンのロッテの捕手成績【画像:パ・リーグ インサイト】
2021年シーズンのロッテの捕手成績【画像:パ・リーグ インサイト】

正捕手だった田村、吉田が故障離脱…

 田村龍弘捕手は10月に打率.333と意地を見せたが、故障離脱もあり、終盤まで打撃の状態が上がらなかった。2番手捕手を務めた柿沼友哉捕手と、故障者が続出した時期に1軍昇格して好リードを見せた江村直也捕手も、加藤と同じく「守備型の捕手」という位置づけだった。

 佐藤都志也捕手は、6月4日の横浜DeNA戦で1試合2本塁打を放ち、9月には月間打率.300を記録。ポストシーズンでも2本の適時打を放つなど、好調時にはインパクトのある打撃を披露した。だが、年間を通じた成績は打率.205と「打てる捕手」と呼べるだけの領域には至っていない。

 吉田裕太捕手はオープン戦で打率.500と絶好調の打撃を見せて開幕1軍の切符を掴み、開幕戦では代打本塁打を記録する好スタートを切った。しかし、その後は安打を1本も記録できないまま、故障で戦列離脱。宗接唯人捕手は捕手の離脱が相次いだタイミングで1軍昇格も、1打数のみとチャンスに恵まれぬまま来季構想外に。

 加藤が先発出場の機会を多く獲得した背景には、打撃面でのライバルの不在も影響しているだろう。そして、優勝争いにおいて、投手の良さを引き出すことに長け、チームの失点減少にも一役買っていた加藤の存在価値は大きかった。左右のエース候補である若手2名の飛躍に大きく貢献している点も含め、加藤の加入は、チームに多くのプラスをもたらす補強だったと総括できよう。

 ただし、加藤が来季以降に正捕手の座を確保するためには、打撃面での成績向上が不可欠になる。打撃成績が改善されればそれに越したことはないが、そうでなければ、状況に応じて他の捕手の力も必要になる可能性は高いだろう。

ドラフト1位で松川を指名、来季以降は競争激化?

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