日本人初のMLB監督に? “プロ経験”なしでマイナー指揮、三好貴士氏の異色キャリア
NPBやMLBでの経験はなく、独立リーグを渡り歩いた
「だって、日本の野球は世界的に見て絶対、めちゃくちゃレベルが高いですよ。他の人種がメジャーで指揮を執っているのだから、日本人からも近い将来監督が出てこないといけない。日本の優秀な指導者がバンバン世界を回っていく方が、日本の野球界にとっても、世界の野球にとっても利益になると思います」と話す言葉には力がこもる。
シーズンオフには毎年帰国し、少年野球の指導や講演活動を行う。さらに今オフには、建設業などを営む「株式会社日本晴れ」が創設した社会人野球チーム「Nbuy(エヌバイ)」の臨時コーチに就任。来年から都市対抗出場を目指す新チームを指導している。既にツインズと来季契約を交わしたが、どのカテゴリーで指導にあたるかは正式に決まっていない。いずれにせよ、2月中旬から始まるスプリングトレーニングに合わせて渡米する予定である。
過去にも、NPBで活躍したOBがマイナーリーグにコーチ留学するケースはあった。また、かつて巨人でプレーした古賀英彦氏は1990年から3年間、1Aサリナスの監督を務めている。だが、三好さんのこれまでの歩みは大きく異なる。
神奈川の県立高校を卒業後に「英語は全く話せなかった」状態で単身渡米。モントリオール・エクスポズ(現ワシントン・ナショナルズ)がフロリダ州に開設していたアカデミーに入学し、6か月を過ごした。そこでスカウトされ、ニュージャージー州の短大に進学。その後、カナダ、オーストラリア、米国の独立リーグで7球団を渡り歩いて内野手としてプレー。底辺からメジャーリーガーを目指した。