“見られること”がチームを変える 新庄流が日本ハムに浸透、新人も「自分を変えたい」

日本ハム・新庄剛志監督【写真:荒川祐史】
日本ハム・新庄剛志監督【写真:荒川祐史】

木田2軍監督のダイエット成功だけじゃない “変革の芽”が次々に

 日本ハムの新人合同自主トレが9日に始まり、13人の新人選手がプロ野球人生の第一歩を記した。初日に視察した新庄剛志監督はチームに“見られること”での成長を促そうとしている。すでに木田2軍監督が率先してダイエットに成功し、目立っていたお腹を引っ込めた。さらに指揮官の発信に触れた新人たちにも、この考え方は徐々に浸透しているようだ。

 ドラフト2位指名で入団した有薗直輝内野手(千葉学芸高)は、高校通算70本塁打を誇る大砲。強肩を生かした三塁守備も高く評価される将来の中軸候補だ。ただ大柄な体格とは裏腹に、しゃべり方は朴訥としている。これまでリーダーのような役割にはあまり縁もなかった。聞けば見られることが「あまり好きではない」のだという。

 9日の合同自主トレ初日には、スタンドに263人のファンが集まり、新人選手が基礎トレーニングを積む姿を見守った。有薗は「見られる感じがありましたね。これがプロ野球だという感じでした」と緊張を隠さない。

日本ハムのドラフト2位ルーキー・有薗直輝【写真:荒川祐史】
日本ハムのドラフト2位ルーキー・有薗直輝【写真:荒川祐史】

 新庄監督は就任以来、テレビなどメディアでの発信を通じて日本ハムに注目を集め続けてきた。他球団を圧倒する発信量で、新庄監督の考え方は新人選手にも伝わっている。有薗も「目立てみたいなことをおっしゃっていたので、そういう意識でやっていきます。自分を変えてやっていきたい」と自分の殻を破ろうとしている。

 自分が見られていると感じれば、よりよく見せようと様々な努力もする。自分のいい面は何かを考えるようにもなる。これが心身の変化を促すと新庄監督は考えているのではないか。お腹が目立っていた木田2軍監督のダイエット成功に指揮官は「木田2軍監督までも5キロ以上の減量に成功してました 上司が自らやるということの大切さをすぐに実行してくれて嬉しかったです これでまた木田2軍監督との信頼関係が深まりました」と自身のインスタグラムに綴った。首脳陣が率先して変わったことで、発信の効果を感じている。

 新庄監督はすでに、キャンプ初日は2軍キャンプを見に行くと明言している。育成段階にある高卒ルーキーたちにも、大きな刺激となるだろう。有薗も「普通はあり得ないことですよね。バッティングでも、一発で仕留めるところを見てほしい」と“その時”を狙ったアピールに照準を合わせている。ファンの目、メディアの目、そしてビッグボスの目。いくつもの視線が、3年連続5位に終わったファイターズ浮上の手助けとなる。

(羽鳥慶太 / Keita Hatori)

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