西武の若手や中日18年ドラ1ら… データで見える“意外”な守備の名手とは?

中日・根尾昂(左)と西武・山田遥楓【写真:荒川祐史】
中日・根尾昂(左)と西武・山田遥楓【写真:荒川祐史】

西武の山田遥は1000イニングに換算すれば12球団トップの守備指標になる

 優れた守備力でチームを救う“名手”と呼ばれる選手たち。日本のプロ野球では「三井ゴールデン・グラブ賞」が制定されており、オフには守備の名手たちが表彰される。その受賞選手たちはファンの間でも広く“名手”として認知されているだろう。

 ただ、そうした表彰を受けずとも、守備に秀でた選手たちは数多く存在する。そこで、ここではセイバーメトリクスの指標などで分析を行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータを基に、まだ広く知られてはいない守備能力の高い選手を紹介していく。

 1人目は西武の山田遥楓内野手だ。昨季は一塁、二塁、三塁、遊撃と内野の全ポジションを守ったユーティリティ選手。守備イニング数は491回2/3と少ないものの、総合的な守備指標である「UZR」は11.9をマークし、200イニング以上、守備についた選手の中では7位に位置している。このUZRは積み上げ式で、多く守備に就いた選手が数字が高くなる傾向がある。UZRを1000イニングあたりに換算してみると、山田は24.3に。先輩の源田壮亮内野手さえも上回る指標になる。

 中日の根尾昂内野手も実は優れた指標の持ち主。しかも、本職の遊撃ではなく、外野手として、である。昨季の守備イニング数は443イニングでUZRは9.3だった。左翼手で6.7、右翼手で2.6となり、指標では特に送球による貢献が大きい。1000イニングに換算するとUZRは20.9となり、12球団の外野手ではトップになる数字だ。

 また、楽天の山崎剛内野手も、指標を見ると、守備能力の高い選手だということが分かる。昨季は二塁、遊撃、中堅、左翼を守り、いずれのポジションもプラス指標で総UZRは6.4。1000イニングに換算すれば、16.3となり、12球団で5番目の数値だ。285回2/3で守った遊撃でのUZRは4.1。1000イニングあたりでは14.3となる。守備面においては、チームメートの小深田大翔より優れていると言える。

 このほかにも、主要どころの選手で言えば、楽天の三塁手である茂木栄五郎内野手や右翼の岡島豪郎内野手はゴールデングラブ賞を獲ってもおかしくないだけの指標をマーク。また、レギュラーではなくとも、ロッテの岡大海外野手、ソフトバンクの牧原大成内野手、西武の愛斗外野手といった面々も守備能力の高さを感じさせる選手達である。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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