“戦力外通告”の瞬間は「逆に実感が沸かず」 筒香嘉智を蘇らせた“3人衆”の存在

ドジャースで出会った打撃コーチ3人衆「真摯に向き合っていただいた」

 2年目は開幕から打撃が上がらず、1週間経っても1か月経っても打率は2割を超えない。スタメンから外れることが増えたところで、DFAはやってきた。

「DFAを宣告されたのは球場に行ってから。もちろんビックリしましたが、日本では経験がないことだったので、逆に実感が沸かなかったというのが一番です。ただ不思議と、もうレイズではプレーできないという認識はあっても、野球ができなくなるという感覚はありませんでした」

 選手が頻繁に移籍するメジャーでは、トレードやDFAされた選手に対して「これで正式なメジャーリーガーになったな」と声を掛けることがある。筒香もその後、ドジャースでマイナー所属となったり、自由契約になったりしたが、「不思議と慣れると言いますか、いいのか悪いのか、もうビックリすることはなかったですね」と笑いながら振り返る。

 目まぐるしい1年の中でも「人生の中でかなり大事な時間になったと思います」と話すのが、ドジャース傘下3Aオクラホマシティに所属した3か月だ。レイズでは「なかなか自分のスイングができない感覚があった」という筒香はここで、自分の基本に立ち返ると同時に、メジャーでプレーする本当の意味を知った。

 レイズでは自分の打撃感覚を大切にしながらも、メジャー流に順応するため周囲のアドバイスに耳を傾けた。だが、言葉の壁もあり、感覚的な摺り合わせが十分にできなかったのだろう。試行錯誤を繰り返すうちに「自分の感覚にないスイングが身についてしまっていた。今思うと『それは打てないよな』というのはあります」と話す。

 ドジャースではまず「日本時代のスイングに戻そう」と声を掛けられた。

「初めてチームに合流した時、日本時代の映像を用意して下さっていて、まずはこれに戻そうと。基本軸は日本でのスイングに置きながら、戻す過程でプラスαを加えていこうという話でした」

 このプロジェクトで大きなカギを握ったのが、ブラント・ブラウン、ロバート・バンスコヤック、アーロン・ベイツの打撃コーチ3人衆だ。元プロ選手のブラウン氏とベイツ氏に対し、バンスコヤック氏はプロ経験はないもののJD・マルティネス(現レッドソックス)を開花させたコーチとして名高い。

「本当に真摯に向き合っていただきました。すごく3人のコミュニケーションが取れていて、誰か1人ではなく3人全員と会話しながら上手く取り組めたイメージです。悪いスイングとなった要素を1つずつ取り除き、ベイスターズ時代のスイングに戻す作業の中で、いろいろな発見がありました。それが今度はプラスαとして加わり、日本の時のスイングとは似ているようで、実はちょっと違う要素がいっぱい入ったメジャー版になりました」

経験して分かったメジャーと3Aの差「気持ちが分かった」

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