ロッテ育成右腕が2軍最多勝→初の支配下キャンプ 美馬の教えで進化した“勝負球”とは

ロッテ・森遼大朗【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】
ロッテ・森遼大朗【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】

5年目で初めて支配下選手として迎えるキャンプ

 ロッテに、5年目の“勝負”にかける右腕がいる。このオフに育成から支配下に昇格した森遼大朗投手だ。昨季は2軍イースタン・リーグで10勝を挙げ最多勝を獲得。背番号が3桁の「123」から2桁の「62」になり、ようやく1軍を目指すスタートラインに立った。

 都城商(宮崎)から育成選手として入団して5年目、立場も心構えもこれまでとは全く違ったキャンプを迎えている。「チャンスが巡って来た。なんとかモノにできるよう頑張っていきたい」と、野球人生の勝負所にいることは十分すぎるほど理解している。

 昨年のキャンプは右足の肉離れで戦線離脱と、幸先の悪いスタートだった。ただ終わってみれば、2軍で自己最多の20試合に登板し10勝5敗、防御率3.20という自己最高の1年に。2020年の1勝6敗、3.84から大きく数字を伸ばせた理由は、どこにあったのだろうか。

 先輩“直伝”の変化球が、進化のきっかけだった。以前は見せ球にしか使っていなかったフォークボールを、勝負球に使えるようになったのだ。昨春、小野晋吾2軍投手コーチから「美馬に聞いてみたらどうだ」と助言を受けた。森は身長180センチで、169センチの美馬と体格は大きく違う。ただ共に直球の平均球速は140キロ前半~中盤、シンプルで癖のないフォームからコースへ投げ分ける右腕。いってみれば“普通の投手”がプロの世界を生き抜く術を、美馬はあっさり教えてくれたという。

 握りと投げ方、球を離す瞬間の意識と全てを伝授された。美馬流のポイントは「落とそうとするのではなく、力を抜くイメージ」にあった。「落差が大きくなったのもありますし、コントロールもしやすくなった。抜け感がいいというか。そこがハマったかなと思います」と、ボールの質が大きく向上。念願の支配下昇格を掴む武器となった。

 今年1月の自主トレも美馬と共に行い、フォームに関するアドバイスも受けた。上半身が突っ込まないよう歩幅を狭くするなど「新しい感覚も身に着けることができました」と成長を実感している。

同期入団の和田は2020年に支配下登録「自分も早く行けるようにと思っていた」

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