強烈な「音」にブレークの期待、2020年HR王の破壊音… 印象に残る“快音本塁打”
日本ハム・今川は和田から放ったプロ初安打が初本塁打となった
次は9月12日に日本ハム・今川優馬外野手が記録した一打。NPB通算143勝のソフトバンク・和田毅投手が投じた内角低めの速球を鮮やかにさばくと、乾いた音とともに打球は左翼席上段まで飛んだ。バットコントロールの巧みさと持ち前のパワーが詰まった一撃は、今川にとって記念すべきプロ初安打でもあった。新人の昨季は1軍で打率.071と苦戦したものの、2軍では打率.310。北海道出身の和製大砲候補が放った強烈な一発は、ブレークを期待させるのに十分なものだった。
最後はソフトバンク・リチャード内野手が、9月22日にロッテ・東妻勇輔投手から放った一発だ。身長189cmで長いリーチを持つリチャードは、外角低めのボールも苦にしない。軽やかなスイングから生み出された打球は、快音とともに舞い上がり、左翼席へ吸い込まれた。この時ZOZOマリンスタジアムは左翼方向から風速8メートルの逆風が吹いていたが、豊かな才能を持つ長距離砲には関係なかった。
2020年の本塁打王に、飛躍が待たれる2人の若手。今回取り上げた3人は、いずれも今季の本領発揮が期待される存在だ。響き渡った強烈な「音」は、期待値をより高めるだけの理由にもなる。プロの舞台で繰り広げられる真っ向勝負によってもたらされる、胸のすくような快音。2022年シーズンは、どの選手がそんな「音」を生み出してくれるだろうか。今からその光景が楽しみでならない。