労使交渉で大リーグ選手会が政府仲裁案を拒む理由 機構の「PR戦略」米メディア指摘

ジャイアンツのアレックス・ウッド(左)とヤンキースのジェイムソン・タイヨン【写真:Getty Images】
ジャイアンツのアレックス・ウッド(左)とヤンキースのジェイムソン・タイヨン【写真:Getty Images】

機構は「理解し難い」と選手会側の拒否に“不快感”

 大リーグ選手会は4日(日本時間5日)、機構(MLB)が新労使交渉早期決着のために求めた米連邦調停局による仲裁を拒否した。米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」によると、機構が仲裁を望む理由について、選手会側はPR戦略であると懐疑的な見方をしているという。機構の動きに疑問を呈する声をSNSに投稿する選手も現れている。

 選手会と機構の新労使交渉は長期化し、昨年12月初旬にロックアウトに突入。機構は早期決着のため米連邦調停局に仲裁を要請したが、選手会側はこれを拒否した。選手会は「対案を示すと誓ったわずか2日後にオーナー陣はこれを拒否し、仲裁を求めた。公平で時宜を得た合意への最も明確な道筋はテーブルに戻ること。選手たちは交渉する準備がいつでもできている」と声明を発表した。

「ジ・アスレチック」によると、選手会側は機構が仲裁を望む理由に懐疑的な見方をしている。理由の1つとして「PR策略の一環である可能性があるからだ」と記事は指摘。選手がSNSで発信したコメントを紹介した。ジャイアンツのアレックス・ウッド投手は「現時点で何も交渉していないのに、MLB機構はどうして連邦政府に仲裁を要求をできるんだい?」とツイートした。

 ツインズのミッチ・ガーバー捕手は「連邦調停人を雇おうとするのは、機構が誠意を持って交渉に臨んでいると見せるための戦術だ。選手はシーズンの準備ができるよう交渉のテーブルにつくことを望んでいる。選手は数週間以内にスプリングトレーニングに参加していたいと願っている。機構は試合減少に繋がる交渉の先延ばしをしている」と自身のツイッターに綴った。他にもヤンキースのジェイムソン・タイヨン投手がツイッターで「極めて陳腐な見せかけ」と機構を批判している。

 一方、機構側は「合意促進の助けとして第三者に介入してもらうのが最も生産的な道筋であることは明らかだ。なぜ合意を願う当事者が、数多くのプロスポーツで論争を解決してきた実績のある連邦局の仲裁を拒否するのか理解し難い」と声明を発表した。来週、四半期のオーナー会議がフロリダで開かれる予定で、ロブ・マンフレッドコミッショナーは記者会見を開くとみられている。発言が注目される。

(Full-Count編集部)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY