鷹・藤本監督も絶賛の2020年ドラ1 キャンプ初紅白戦で光った高卒2年目の成長

紅白戦で紅組の「5番・三塁」で出場したソフトバンク・井上朋也【写真:福谷佑介】
紅白戦で紅組の「5番・三塁」で出場したソフトバンク・井上朋也【写真:福谷佑介】

12日からリチャードがB組に合流しサバイバルも本格化

 ソフトバンクは11日、宮崎市の生目の杜運動公園で行う春季キャンプで初めてとなる紅白戦を実施した。2020年のドラフト1位・井上朋也内野手が2本の長打を放って4打点と活躍し、藤本博史監督も「内容を踏まえてもやっぱり井上じゃないですか。いいアピールができている」と絶賛だった。

 紅組の「5番・三塁」で出場した井上。初回2死一、二塁のチャンスで打席に立つと、追い込まれてから大竹耕が投じた外めの変化球を右中間に弾き返して2点適時三塁打。2打席目、3打席目は連続三振に倒れたものの、6回には再び2死一、二塁で今度は中堅の頭上を越える2点適時二塁打。紅組の9得点のうち、4点を19歳のバットが生み出した。

 紅白戦後の藤本監督は「ああいうところで打ったら目立つよね。いいアピールできてるんじゃないですか。チャンスで打てているし、三振もあったけど、4打席あって4打席全て打てるわけではないから。半分打っているんだから良かった」と称賛。2軍監督時代の昨年から指導してきた若鷹のアピールに目を細めていた。

 2020年のドラフト1位で花咲徳栄高から入団した井上。高校通算50本塁打を誇るスラッガー候補で、ルーキーだった昨季は2軍で45試合に出場して打率.246、本塁打も3本放っている。打撃面でのポテンシャルは高く、将来の中軸候補として球団内での期待も大きい。

 昨秋のキャンプでは王貞治球団会長兼特別アドバイザーからバットを手のひらで握るのではなく、指先で握るように助言を受けた。始めた当初は「結構、感覚が違って打ちづらかった」と言うものの、練習を続けていくうちに徐々に慣れ「指で持つことによって手首が柔らかくなりますし、その柔らかさが出てきたんじゃないかなと思います」と手応えを得ている。

 本職の三塁にはベテランの松田宣浩がおり、12日からは筑後のC組で調整していたリチャードもB組に合流する予定。藤本監督も「今日からが本当のサバイバル。ふるいにかけないといけない」と話しており、いよいよ野手の生き残り競争が本格化する。「1軍で開幕を迎えるのが1番いい形。まずはそこを目指していきたい」と意気込む井上は、開幕1軍争いで生き残れるか。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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