2日連続で鬼肩披露も…打撃で石井監督から苦言 楽天ドラ2がすぐ見せた“らしさ”
指揮官、先輩から相次いで飛んだアドバイス
一方、左打席からの長打が売り物の打撃は、3打席目までノーヒット2三振。4回の第2打席では、手元での変化に合わせただけの投ゴロに倒れ、石井監督から「とにかくフルスイングをやって来い」と苦言を呈された。同じ兵庫出身の先輩の辰己からは「左中間方向へ持っていくのが、おまえのスイング」とアドバイスが飛んだ。
迎えた8回2死二塁の第4打席。右サイドスローの鈴木に対してカウント2-0から、ファーストストライクの外角スライダーを逃さずとらえると、左中間を深々と破って二塁走者を迎え入れた。前日の1打席を合わせ、プロ入り後の実戦5打席目にして初安打が生まれ、打点のおまけも付いた。「バットの先っちょに当たって鈍い音がしたのでベストヒットではないですが、1本出てよかった」と照れ笑い。石井監督は「まさに“らしい”打撃。逆方向に大きい当たりを打てるのが彼の特長なので、その辺を見られて良かった」と大きくうなずいていた。
もともと松井秀喜氏に憧れ、兵庫・須磨翔風高から愛知大に進学すると、松井氏の打撃フォームを参考にして通算32本塁打を積み重ねた。大学時代にはユニホームの色から「青ゴジラ」の異名を取っていたと言う。
リード面はまだまだ勉強することが山積みだが、スローイングとショートバウンドを止める技術は高い。楽天の正捕手争いは、昨季途中に巨人から金銭トレードで加入した炭谷、太田、田中貴、堀内、石原らがひしめく混戦模様。安田が今後のキャンプ、オープン戦で得意の打撃にモノを言わせ、一気に筆頭候補に躍り出てもおかしくはない。
捕手としてプロの打者を目の当たりにし、「スイングがめちゃ速くて、非常に楽しかった」と初々しい笑顔を浮かべた安田。敵将の日本ハム・新庄監督については「すごくオーラあって、思わず見てしまう感じでした」と感想を述べたが、そう言う安田も秘めたスター性をそこはかとなく漂わせている。