新庄ビッグボスの日本ハムを他球団007はどう見てる? 読めない若さと戦術の不気味さ

日本ハム・新庄剛志監督【写真:荒川祐史】
日本ハム・新庄剛志監督【写真:荒川祐史】

昨季の開幕スタメンから3歳若返った新打線で15安打8得点

 新庄剛志ビッグボスが就任した日本ハムは、ライバル球団からどう見られているのか。巨人との練習試合(那覇)では同点の9回に四球を挟んで6連打で5得点。ビッグボスの“3対4で惜敗”という予言を覆しての快勝だった。昨季からの変化を他球団スコアラーの証言をもとに紐解いた。

 不動の4番だった中田翔は巨人選手。西川遥輝は楽天、大田泰示もDeNAへ移籍していった。今年の日本ハム打線は大きく若返ったのが特徴だ。この日のスタメン野手では28歳の宇佐見真吾が最年長で、ほとんどが20代前半。平均年齢23.4歳と“大卒ルーキー”の年齢だ。新型コロナウイルス感染で出遅れている主軸の近藤健介(28)らが先発メンバーに入っていないとはいえ、昨季開幕スタメンの平均年齢26.9歳から3歳の若返り。まずは、この若さを生かした攻撃が他球団スコアラーの目を引いた。

「どんどん積極的に。初球からガンガン打ってくる。ボール先行でも、とりあえず振れるボールは振っていく印象が強かった。ヒットを打っている選手も初球ヒットが多かった」

 日本一に輝いた2016年の開幕スタメンは平均年齢26.6歳で、12球団最年少だった。22歳の大谷翔平、23歳の近藤健介と20代前半の選手がチームの躍進を支えた。当時のメンバーと比べると、まだまだ経験豊富とは言えないものの、この日の9回のような勢いは他球団にとっては脅威と言えるだろう。

 そして、何より読めないのが新庄ビッグボスの采配だ。某スコアラーが「今日の打線もガラポンで決めたの?」と逆取材するほど対策を立てにくい。この日は野村、万波とパンチ力のある打者で1、2番コンビを組み、4番には俊足の五十幡と“常識”を覆す打線。その打線が15安打8得点と機能した。開幕戦の先発オーダーさえ読めない不気味さも、日本ハムの武器と言えるだろう。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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