高校では捕手が捕れず封印… 稲葉GMが驚愕した日本ハムドラ5右腕の無回転「魔球」

新庄剛志監督の前で投球する日本ハム・畔柳亨丞【写真:町田利衣】
新庄剛志監督の前で投球する日本ハム・畔柳亨丞【写真:町田利衣】

中京大中京高時代は捕れる捕手がいなかったため“封印”

 左打席に立った稲葉篤紀GMが思わず声を上げた。「魔球やな」。日本ハムのドラフト5位・畔柳亨丞投手がタピックスタジアム名護で行われた2軍練習でブルペン入り。後ろからは休日返上で訪れた新庄剛志監督が見守る“W御前投球”で見せたのは、無回転で揺れながら落ちるナックルフォークだった。

 中京大中京高時代は捕手が捕れなかったため封印していた、まさしく“魔球”。フォークと同じ握りだが「リリースのところを置いてくるイメージで投げたら無回転になった」と畔柳は説明する。プロでもなかなか操る投手はいないため「1つの自分の武器として、伸ばしていけたらいいと思います」とはにかんだ。

 そんな畔柳を絶賛したのが、高校の先輩にもあたる稲葉GMだ。名球会入りを果たしているレジェンドは「揺れてましたね、かなり揺れてました。僕も見たことないようなおもしろい球です。ブルペン捕手も捕りにくそうだった」と驚愕。「昔、小宮山さんとかシェイクを投げていてどこにいくか分からなかった。それの速いのだったので、おもしろい球じゃないかなと思います」と大きな期待を口にした。

 最速152キロ右腕は、高校の1学年先輩の中日・高橋宏斗投手の紅白戦での好投を映像で見ると、電話を掛けて「どういうところを変えましたか?」と質問。「いい投手は軸のブレがない。自分も取り入れようと思った」と貪欲に成長する姿勢を見せている。

 ビッグボスからも何度も「ナイスボール」と声を掛けられ「自信を持って、これからもいいところをもっと伸ばしていきたい」とうなずいた畔柳。明るい未来を予感させる、投球練習となった。

(町田利衣 / Rie Machida)

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