キャンプの“テスト生”から這い上がった選手たち 日本シリーズMVPや本塁打王の例も
投手ではオリックス・吉井理人がテスト受け“再入団”
投手では2005年の吉井理人の例がある。近鉄でリリーフとして頭角を現し、移籍したヤクルトで1995年から3年連続2桁勝利を上げると、FAして米球界入りし通算162試合に登板、32勝47敗の成績を残した。2003年にオリックスで日本球界復帰、ただ2004年には3試合登板で0勝1敗に終わり、オフに戦力外となった。
ここで吉井に手を差し伸べたのが、近鉄時代の指揮官で、このタイミングでオリックス監督に復帰した仰木彬監督だった。2月のキャンプにテスト参加し合格を勝ち取ると、15試合に先発し6勝5敗。翌年も7勝9敗の成績を残して先発投手として活躍した。
外国人だがキャンプでテスト入団を勝ち取り活躍した選手に、2013年のパ・リーグ本塁打王に輝いたミチェル・アブレイユがいる。キューバ出身で、同国の代表歴もあったアブレイユは亡命し、2010年から3年間はメキシカンリーグで強打を発揮した。2013年2月に日本ハムのキャンプにテスト生として参加し、合格を勝ち取った。
シーズンでは4番にも座り、138試合の出場で31本塁打、打率.284と活躍。同僚の中田翔との争いを制してパ・リーグの本塁打キングに輝いた。翌年は腰痛で6試合出場にとどまり、8月に退団した。
今回オリックスのテスト生となった中村勝は、昨季メキシカンリーグのグアダラハラ・マリアッチスで8勝0敗、防御率3.25と活躍。最多勝と最高勝率、さらには最優秀投手にまで選出された。2017年にトミー・ジョン手術を受けた右肘も完治し、日ハム時代より球速も上がったという。昨季のリーグ優勝チームでチャンスをつかめるか、注目が集まる。
(Full-Count編集部)