「彼しかできないですよね」日本ハム武田投手コーチが期待する元沢村賞右腕の復活

久保田スラッガーのグラブに変更した日本ハム・金子千尋【写真:荒川祐史】
久保田スラッガーのグラブに変更した日本ハム・金子千尋【写真:荒川祐史】

昨季はキャリアワーストの8試合登板で未勝利に終わった

 日本ハムの武田勝投手コーチが金子千尋投手の“復権”に期待を寄せた。21日に沖縄・名護キャンプでライブBPに登板したベテランについて「今年に懸ける意気込みというのは伝わってきます。この2年間ちょっと悔しい思いをさせていますし、本人もしていると思う。取り返すという気持ちも伝わってくる」と心中をおもんぱかった。

 プロ18年目の38歳。日本ハムに移籍して1年目だった2019年こそ8勝を挙げたが、2020年は主に救援で34試合に登板して1勝3敗、防御率5.11、そして昨季はキャリアワーストの8試合登板で0勝4敗、防御率6.21に終わった。

 今季は登録名も「金子弌大」から「金子千尋」に戻して心機一転のスタート。先発予定だった19日の楽天との練習試合は雨天中止となったが、順調な調整を続けている。武田コーチは「本人も先発にこだわっていると思いますから、そこをベースにこれから考えていこうと思う」と構想を明かした。

 金子は今季、慣れ親しんだアンダーアーマーから久保田スラッガーのグラブに変更した。長年の“相棒”が変わることに「道具の変化って結構怖いんですよ、野球選手って」と説明する武田コーチ。しかし自身のやるべきことに黙々と取り組み、トレーニングに励む姿に「変化も苦にせずやってくれている。30代後半になって若い子たちと一緒にやるということがどれだけ難しいか感じさせない。彼しかできないですよね、ありがたいです」と感謝。その背中が若手に好影響を与えている。

 通算129勝を誇り沢村賞にも輝いたことのある金子が本来の力を出すことができれば、先発ローテーションはより強固なものになる。武田コーチが「必要なピース」と話す実力者が、新庄剛志監督のもとで生まれ変わったチームで再び輝きを取り戻す。

(町田利衣 / Rie Machida)

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