柳田や甲斐も驚く“ケタ違い”のボール 鷹の開幕投手・千賀滉大“独特”の調整論

ソフトバンク・千賀滉大【写真:福谷佑介】
ソフトバンク・千賀滉大【写真:福谷佑介】

12球団1番乗りで今年の開幕投手に決まった千賀

 ソフトバンクの2022年の開幕投手に千賀滉大投手が決まった。宮崎キャンプ中の2月15日に藤本博史監督が「開幕投手は千賀でいきたいと思います。チームのエースなんで、143試合分の1試合かもしれないけど、そこを任されるのはチームで1番信頼される投手じゃないかな、と思う」と、12球団で最も早く公表した。

 確かに、今年の千賀の調整ぶりを見ると、大活躍の予感が“ビンビン”と漂っている。ここ2年は怪我のため、リハビリ組でのトレーニングが続いていたが、今年はここまで順調にメニューを消化。「ここ2年、僕はバイク漕いでリハビリメニューをやっている頃。今年はメニューをこなせていますし、自分の課題に向き合う時間ができているのでいい時間じゃないかなと思います」と千賀自身の表情も明るい。

 何よりブルペンで投じているボールが、他の投手と比べても段違いだ。唸るようなボールが次々にミットを響かせ、チームメートの柳田悠岐外野手や“相棒”の甲斐拓也捕手が「速い」「エグい」と驚愕するほど。さらに、カーブやシンカーといった、これまであまり使ってこなかった球種の完全習得にも取り組んでおり、さらなる進化を遂げようとしている。

 そして、発している言葉の端々にも随所に“千賀らしさ”が滲む。特に印象的だったのが、実戦登板についての考えだ。通常、投手はキャンプ中盤からフリー打撃の打撃投手、シート打撃、紅白戦と段階を上げてオープン戦へと入っていく。オフの間に少なからず消えていった打者との間合いや感覚を取り戻しつつ、自身のボールに対して打者がどう反応するかを確認し、現状の課題などを把握していく作業の一環だ。

千賀の考えは「バッターに、というのに重きを置いていない」

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