チームリーダーに挑む19歳の若鷹 専門家が評価する「全く引けを取らない」点とは?

課題は“腹切り”になりがちなバット軌道

 昨季のソフトバンクの三塁のスタメンは松田の102試合が断トツ。現在、B組でキャンプを過ごし、紅白戦などでA組に参加しているリチャードが21試合、今季から外野手登録となる栗原が19試合、川瀬が1試合を守った。リチャードが“ポスト松田”の急先鋒と目される中で、19歳の井上は先輩たちをごぼう抜きにして、その座を射止めることができるか、にわかに注目を集めている。

 もちろん19歳には、克服すべき課題もある。野口氏は「井上のスイングの軌道は“アウトサイドイン”になりがちで、あれだと特に左投手に対してはボールを“点”でしかとらえられず、確率が低くなる。フリー打撃で『あれっ? 左投手は苦手なのかな』と感じさせるところがあったのは、このためだと思います」と指摘した。

 ちなみに、野口氏のヤクルト現役時代の監督で名将と呼ばれた野村克也氏は、アウトサイドインのスイングを“腹切り”(右打者の場合、グリップが左腰へ向かって一直線に向かう軌道)と呼び、修正を求めたと言う。ソフトバンクは昨季、8年ぶりのBクラス(4位)に沈み、在任7年間で日本一5度を誇った工藤前監督が退任。藤本監督が就任して迎える今季、大幅な世代交代は生まれるのだろうか。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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