同じ日に捕手と投手で完封劇 大谷翔平でも無理…ニグロリーグにいた二刀流スター

2005年に球場を訪れた当時102歳のテッド・ラドクリフさん【写真:Getty Images】
2005年に球場を訪れた当時102歳のテッド・ラドクリフさん【写真:Getty Images】

テッド・ラドクリフは1919年から54年までニグロリーグなどでプレーした

 エンゼルスの大谷翔平投手は昨季、9勝&46本塁打をマークしてMVPを受賞。投打で活躍して球界を沸かせたが、かつてニグロ・リーグに大谷もびっくりの“二刀流スター”がいた。1919年から1954年までニグロ・リーグなどでプレーしたテッド・ラドクリフは投手と捕手を兼務。ダブルヘッダー第1試合で捕手として完封勝利に貢献、第2試合で投手として完封勝利を演じたことがあるという。MLB公式サイトが伝えている。

 1902年米アラバマ州生まれのラドクリフは1919年から1954年までニグロリーグ、国外リーグ、独立リーグなど15のチームでプレーした。個人記録は定かではないが、自伝を担当した作者が調べたところ、36年間で打率.303、4000安打、400本塁打をマークしたそうだ。

「デトロイト・スターズ」在籍時の1929年、投手陣に故障者が続出した際に二刀流に。類いまれな耐久力と多彩ぶりから「同時に2つの仕事をこなす」という意味の“ダブル・デューティー”の異名を取った。その3年後、ダブルヘッダー第1試合で、大投手として知られるサチェル・ペイジの完封試合の捕手を務め、第2試合は先発して完封勝利を演じた。「野球以外の仕事をしたことがない。金は稼げた。投げて捕手も務めて、打つこともできた。だから引きがたくさんあった」とラドクリフは当時、語っていたという。

 ニグロリーグのオールスターに捕手で3度、投手でも3度選出。さらに、数年間は選手兼任監督も務めた。元ドジャース投手の故ジョー・ブラックら複数の元選手が「彼は殿堂入りにふさわしい」とコメントしている。

 現役引退後は1960年代にクリーブランド・インディアンズ(現ガーディアンズ)のスカウトを務めるなど、生涯野球に関わった。晩年は誕生日の7月7日にホワイトソックスの始球式を務めることが恒例となり、100歳の誕生日でも実施した。「ガッツがないとね。そして野球を愛していないと。成功するには自分がしていることを愛さないとだめだよ」と自身の哲学を語っていた。2005年、103歳で亡くなった。

(Full-Count編集部)

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