根尾の“フルスイング”に首傾げる他球団も… 目指す姿は中距離打者か、安打製造機か

中日・根尾昂【写真:小西亮】
中日・根尾昂【写真:小西亮】

プロ4年目は外野一本で勝負、立浪監督「早く自分の形を見つけて」

 プロ4年目を迎えた中日の根尾昂内野手は、沖縄での春季キャンプで課題の打撃に向き合っている。試合では思い切りよくフルスイングする姿も見せるが、偵察する他球団からは「彼に目一杯のスイングは必要なのか」との声も。本拠地は、“投手天国”とも呼ばれる広いバンテリンドーム。目指すべき打者としてのスタイルは――。

 4球団が競合したドラフト1位の逸材。昨季は左翼で開幕スタメンを掴むも、打撃面で課題を露呈。シーズン後半は2軍で研鑽の日々だった。遊撃への思いを封印し、外野一本で勝負する今季。言い換えれば、打たなければ定位置への道は開けない。

 立浪和義監督は「早く自分の形を見つけてほしい」と期待。模索が続く日々で、キャンプでは森野将彦打撃コーチとマンツーマンで打撃に没頭することも。フォームやタイミングの取り方を確立すれば、一気に花開く可能性も少なくない。

 その一方、体勢が崩れるほどスイングする姿に他球団のスコアラーは「どういうバッターになろうとしているのか、少し見えてこない」と首を傾げる。クリーンアップを担うような大砲タイプではないのが現状。「初球をフルスイングするにしても、もっとシャープに振るとかミートしにいったほうが怖いんじゃないか」と考える。

 自主トレで根尾の面倒を見ているチームのベテラン・大島洋平外野手も「自分の中での100%のスイングは必要だけど、120%のスイングは必要ない」と助言。自身は俊足を生かし、通算2000安打まで252本に迫る安打製造機だが「(根尾は)まだ若いんだし、可能性もある。今はまだ、コツコツ当てるようなタイプに小さくまとまってほしくない」と求める。

 その上でイメージするのが、指揮官の現役時代。鋭い打球で外野の間を破り、プロ野球史上最多となる487二塁打を重ねた立浪監督のような姿を目指すのも一案ではないかという。身体能力は誰もが疑わないからこそ、最も魅力が発揮できる姿でのブレークを――。球春を迎えた沖縄で、バットを振り続けている。

(小西亮 / Ryo Konishi)

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