西武159キロ右腕が今季初実戦で見せた成長の跡 「意図が明確」と専門家が評した理由

ソフトバンクとの練習試合で好投を見せた西武・今井達也【写真:福谷佑介】
ソフトバンクとの練習試合で好投を見せた西武・今井達也【写真:福谷佑介】

野口寿浩氏「高橋、今井、松本にやってもらわないと」

 昨年までとはひと味違う。西武の今井達也投手は22日、チームにとって今年初の対外試合となった「球春みやざきベースボールゲームズ」のソフトバンク戦(アイビー)に先発し、3イニングで2安打3四球を許しながら3三振を奪い無失点に抑えた。

 粘りの投球を見せた。初回先頭の三森にいきなり中前打を浴びるも、続く今宮を外角高めのカットボールで投ゴロ併殺。2回には1死満塁のピンチを招いたが、左打者の柳町を外角のボールゾーンから曲げていく“バックドア”のスライダーで見送り三振に仕留めた。続く海野も149キロの速球で右飛に打ち取り、得点を許さなかった。

 今井の持ち味と言えば最速159キロの速球だが、この日は1回に3番の中村晃に対し、初球から3球連続カーブ。前述の2死満塁で海野に対した場面でも、初球から4球連続でスライダーを投じ、カウント3-1からストレートで右飛に仕留めるなど、変化球の状態を確認する意図が見えた。トータルでは53球中、ストレートが約53%の28球、スライダーが12球、カットボールが5球、カーブとチェンジアップが4球ずつだった。

 現役時代にヤクルト、日本ハムなど4球団で捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏は「真っすぐがいいのはわかっているので、課題は変化球。練習試合としては意図が明確で良かったのではないか」と評した。

 今井は今年、ほぼ同年代の高橋光成、松本航とともに“先発3本柱”としてチームを牽引する役割を求められている。本人たちも昨年のシーズン中から自覚し、3人で声を掛け合ってきた。今井は昨年、自己最多の8勝(8敗、防御率3.30)を挙げたが、今年は2桁勝利が最低限のノルマだろう。開幕投手は2年連続で高橋に決まっており、今井はこのまま中6日で火曜日の試合に登板して調整していけば、公式戦初登板が“2カード目の頭”となる3月29日の日本ハム戦(札幌ドーム)となるが、果たしてどうか。

 西武ではドラフト1位・隅田知一郎、同2位・佐藤隼輔の両左腕がシート打撃、紅白戦で好投し、そろって開幕ローテ入りへ期待が高まっている。とはいえ、「首脳陣としてはルーキーには、期待はしても計算に入れるわけにはいかない。新人はあくまでプラスアルファ。高橋、今井、松本の3人にやってもらわないと困る」と野口氏は指摘する。

 しかも、守護神の平良海馬が昨秋に右足首の手術を受け、さらに1月に新型コロナウイルスに感染したことで調整が遅れている。「先発投手は8回まで頑張って、当面抑えを務めることになりそうな増田へ“直結”することが理想」と野口氏は分析する。42年ぶり最下位に終わった昨季からのV字回復を目指すチームにあって、若き先発3本柱が担う責任は重い。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY