38歳での大転換 鷹・松田宣浩が本塁打を捨てて目指す大幅な“モデルチェンジ”
求めるのは安打と打点「自分の中で方向性が変わっている気がします」
昨季通算300本塁打を達成し、プロ通算301本塁打を数える。2018年、2019年には30本塁打超を放ち、ホームランへのこだわりも滲ませてきていた。ただ、今季は「次はもっとヒット打ちたいし、打点をあげたいなという方向に進んでいる。ホームランも大事ですけど、ヒットを打つことと打点を稼ぐことがチームに求められていることだと思うので、そういったところを今年は追求していきたい」と語り、打席ではコンタクト率に重きを置くようにしている。
このコンタクト率を高めるために打席内でのアプローチも変えようとしている。「追い込まれたらコンタクト率は下がっていく。プロ野球って1打席に1球、甘い球が来るか来ないかの世界だと思っているので、その1球を見逃して、次から勝負するというのは良くない。甘い球をオーバースイングするよりは、タイミングを合わせて、甘い球を見逃さずに振ることがコンタクト率に繋がる。それが去年との違い」。ホームランを意識するのを辞め、スイングをコンパクトに、ボールをしっかり捉えるスタイルを目指す。
「早いカウントの甘い球をしっかり振れば、ヒットのコースに飛ぶんじゃないか。ボールを投げさせようとして、そういったボールをわざと見逃していたところがあった。ヒットをたくさん打ったら試合に出られるし、あと16で1000打点だし、自分の中で方向性が変わっている気がしますよね」と心境の変化も口にしていた松田。これまで毎年のように柳田悠岐外野手と互いの本塁打の数を競ってきたが、今季は「絶対にやらない。もう終わり終わり。それは土俵に乗ってません」とも。大幅な“モデルチェンジ”を決意した松田。世代交代の波に抗い、再びレギュラーの座を掴みに行く。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)