満員の球場を知るのはわずか3人…“オンライン時代”で変わるDeNAチアの存在意義
コロナ禍での活動は「パフォーマンスに悩むことがありました」
もうひとり、4年目を迎えるRinaさんも、満員のハマスタを知るメンバーだ。小学生の頃に祖母に誘われてハマったダンスだが、野球に関心はなかった。ダンスの専門学校時代に、dianaの説明会に出たのがきっかけ。メンバーになってからは喜びに満ちた日々が続いた。小さい頃から観客の前でパフォーマンスをするのが大好き。1年目の2019年は満員のスタンドで踊れることが楽しく、近くで活躍する選手のプレーに魅了され、野球も大好きになった。人気ゲーム「プロ野球スピリッツA」も始め、自分のチームはもちろんDeNAだ。
しかし、コロナ禍で2020年以降は環境が一変。「お客さんが見えない中で、パフォーマンスに悩むことがありました」。そんな中、Rinaさんを支えたのはファンの声。たとえ同じ場所にいられなくても、公式ツイッターには応援メッセージがたくさん寄せられ、パネルやリモート応援でも、ファンの存在を感じることができた。「無観客でも自分たちはスタジアムに入ることができる。その場にいる分、ファンの方の気持ちを持つことが大切だなって」。
届ける相手はスタンドの観客だけでなく、テレビなど画面越しのファンの存在もより意識するように。2人がともに語ったのは「個々に注目が行くこと」。Junonさんは「どんな時にワイプで抜かれてもいいようなパフォーマンスをしなければならないと改めて感じました」と、難しさを感じている。
一方で、コロナがメンバーを奮い立たせた面もある。より一層高いレベルが求められ、審査員のひとりも「新たなdianaが見られるかもしれない」と期待を寄せる。メンバーの思いはひとつ。「満員のハマスタで踊ること」。大歓声を知るメンバーは少なくなったが、この2年は決して無駄ではなかったはず。再び観客が戻ってきた時、新生dianaは今まで以上のパフォーマンスを見せてくれるはずだ。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)