大幅リニューアルの東京ドームでも「変わらない」 今も息づく“ON”のオーラ

リニューアルされた東京ドームのプレス内覧会が開かれた【写真:荒川祐史】
リニューアルされた東京ドームのプレス内覧会が開かれた【写真:荒川祐史】

長嶋氏の大好物「ふかひれ入り汁そば」がビュッフェコーナーに登場

 巨人の本拠地・東京ドームでは、1988年の開場以来、過去最大規模のリニューアル工事が完了した。2日の西武とのオープン戦からファンにお披露目される。中堅のメインビジョンは約4.4倍の面積となり、場内の全売店がキャッシュレス化されるなど大きく生まれ変わったが、変わらないものもある。巨人の象徴ともいえる長嶋茂雄氏(現・巨人終身名誉監督)、王貞治氏(現・ソフトバンク球団会長兼特別チームアドバイザー)の“ONコンビ”のオーラは、新時代を迎えた東京ドームにも漂っている。

 東京ドームの表玄関である2階正面「22ゲート」を中心に、三塁側に「長嶋ゲート」、一塁側に「王ゲート」が設けられたのは1997年。2014年からはそれぞれに、現役時代の雄姿を象った高さ3メートル、幅2.2メートルの大型レリーフが飾られている。今回のリニューアル後も両ゲートは健在で、新たに、22ゲートから長嶋ゲートをくぐり、3階へと上る三塁側大階段に長嶋氏、一塁側の大階段に王氏の現役時代が描かれた。オールドファンにとっては感涙ものだ。

 株式会社東京ドームの東京ドーム部企画渉外グループ長、若林聡さんは「巨人軍の伝統と歴史をつくられたお2人ですから! それは今も息づいています。リニューアルされても来場者の皆様に体感していただきたい」と話す。

 さらに、全28室が法人年間契約向けの「ザ スイート トウキョウ」のエントランスには、長嶋氏の第1次監督時代(1975~80年)の背番号90のユニホーム、現役時代に使用したバットとグラブが飾られた。3階バルコニー席「プレミアムラウンジ」のビュッフェコーナーには、隣接する後楽園飯店の料理長の監修で、長嶋氏の大好物として知られる「ふかひれ入り汁そば」が新メニューとして登場した。

 言うまでもなく長嶋氏と王氏は、高度成長期にプロ野球を国民的人気スポーツへ押し上げた功労者だ。特に1965年から73年にかけて、巨人はONコンビを原動力に空前絶後の9連覇を達成。当時の本拠地は後楽園球場だった。

 厳密に言えば、東京ドームは後楽園球場の跡地に建てられたわけではない。現在の東京ドームの場所にはかつて後楽園競輪場があり、後楽園球場の跡地は現在、東京ドームシティのプリズムホールや東京ドームホテルとなっている。とはいえ、この付近で目をつぶれば、夕陽を浴びる後楽園球場のスタンドの光景や歓声がよみがえってくるファンも多いことだろう。東京ドームにはONコンビの活躍に胸を躍らせた50代以上から、坂本・菅野・岡本和らに憧れる野球少年まで、幅広い層のファンが集う。

【実際の写真を見る】上る前に写真撮影は必須! 長嶋茂雄&王貞治が出迎える“スペシャル”階段

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