3人の子ども抱えマイナー契約は「過酷な境遇」 巨人新助っ人が移籍決断したワケ

巨人の新外国人マット・アンドリース(写真はエンゼルス時代)【写真:Getty Images】
巨人の新外国人マット・アンドリース(写真はエンゼルス時代)【写真:Getty Images】

ロックアウトが続く中、アジア行きを選択する選手が続々

 メジャーリーグはロックアウトが続き、開幕延期が決まった。米野球専門誌「ベースボール・アメリカ」は、不透明な状況の中で日本や韓国行きを選択する選手として、巨人と契約したマット・アンドリースについて触れた。

 アンドリースは昨季、キャリアの中でもワーストレベルのシーズンとなったが、後半には巻き返しを見せたことから「通常のシーズンオフだったら今ごろ球団と契約交渉をしていたはずだ」と分析。労使協定が切れる前に大物FA選手と駆け込み契約をする球団が現れるも、アンドリースらFAトップランキングに入らない選手たちは契約を掴むことができなかった。

 同誌は「いつ球団と再び交渉し、いつスプリングトレーニングやシーズンが開幕するのか。2人の子どもを持ち、3人目の誕生を控えるアンドリースにとって、それを知ることを待つ余裕はなかった」と述べた。

 アンドリースは「今オフは色々な球団に接触した。早い段階で契約をまとめられないかと思ってね。しかし労使協定絡みの不透明な状況だったから、慌てて契約することに躊躇する球団が多かったね。(労使交渉が今も続いているため)僕個人としては、非常にいい決断をしたんじゃないかな」と“早期契約”を振り返った。

 近年は日本や韓国など、アジアに選手が集結。一般的にそれはマイナーでくすぶっている選手やマイナーとメジャーを行ったり来たりする選手だが、ロックアウトの影響で、今オフはグレゴリー・ポランコやフレディ・ガルビス、タイラー・チャトウッドら、実績は残しているものの昨年は低迷した選手たちが日本行きを決断した。

 西武の新助っ人バーチ・スミスは「ここ何年も、日本でプレーした経験がある選手が同僚にいたよ。彼らの口から出てくるのは、いい話ばかりだったね。そういうことや、ロックアウトの状況もあり、(日本の球団と契約する)きっかけになったと思う。アメリカでの不透明な状況において、この機会を手にする絶好のタイミングだった」と語った。

 労使協定がまとまりロックアウトが終われば、FA市場も一気に動き出す。しかしトップクラスを除き、未契約の状態の選手が市場に溢れるのもまた事実。「3人の子どもがいて、マイナー契約で2万5000ドル(約290万円)を手にする可能性を考えると、僕の家族にとっては過酷な境遇になっているだろうね」とアンドリースが語るように、より保証された契約を選んだ背景には父親としての思いの強さが表れているようだ。

(Full-Count編集部)

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