近年にない中日“外野争い”の活況 根尾の存在感に心配も…若手が続々アピール

中日・鵜飼航丞、根尾昂、岡林勇希【写真:小西亮】
中日・鵜飼航丞、根尾昂、岡林勇希【写真:小西亮】

期待のドラ2鵜飼がスタンド中段への“衝撃1号”でアピール

 中日の外野争いが、近年稀に見る活況を見せている。空席の両翼の座を巡り、ドラフト2位ルーキーの鵜飼航丞や高卒3年目の岡林勇希ら若手を中心に続々とアピールしている。今季から指揮を執る立浪和義監督にとっては“うれしい悲鳴”。期待される根尾昂の存在感が気がかりではあるものの、開幕に向けて徐々に形は見えつつある。

 3日のソフトバンクとのオープン戦(PayPayドーム)で、待望の一発が飛び出した。「9番・指名打者」で先発していた鵜飼が6回に1号2ラン。チームとって積年の課題である和製大砲候補に名乗りを上げるアーチは、左翼スタンド中段まで軽々と運ぶ豪快さだった。

 左翼の座を狙う鵜飼のライバルとなりそうなのが、32歳の阿部寿樹。昨季まで二塁のレギュラーだったが、打力を生かすべく今季から外野にも挑戦。3日の試合では、初めて左翼で出場した。オープン戦では打撃好調で、4試合で打率.500(12打数6安打)、1本塁打、3打点をマークしている。

 右翼は、岡林が元気いい。オープン戦開幕となった2月26日の阪神戦(北谷)では3安打をマーク。4試合連続安打中で打率.389(18打数7安打)、1打点。2022年のリードオフマンを担いそうな雰囲気も漂っている。その一方でインパクトを乗せていないのが根尾。3日の試合は代走で途中出場し、打席は回ってこず。打率.333(6打数2安打)、1打点で、岡林に比べて打席機会は3分の1となっている。

 昨季は貧打に喘ぎながらも、大きな補強をしなかった立浪竜。二塁と左翼、右翼がレギュラー不在という認識で、チームの底上げが始まった。ブレーク待望の3年目ドラフト1位・石川昂弥を三塁で起用する可能性が高まり、高橋周平を二塁へ。残る選手で“打てるヤツは外野へ”と、阿部を筆頭に捕手の山下斐紹らもキャンプでは外野ノックに加わっていた。

 さらに現役最年長の福留孝介やベテランの域に入ってきた平田良介らも控えており、必然的に争いは激化。早くも立浪監督が振るったタクトの“妙”が出てきている。ひとまず3月25日の東京ドームで、左翼と右翼に立つのは誰か――。候補者たちにとっては、1打席も無駄にできない。

(Full-Count編集部)

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