DeNA三浦大輔監督はなぜ東克樹を開幕投手に? 昨季1勝左腕に大役を託した「真意」

DeNA・三浦大輔監督(左)、開幕投手に任命された東克樹【写真:宮脇広久】
DeNA・三浦大輔監督(左)、開幕投手に任命された東克樹【写真:宮脇広久】

「1年間怪我なくローテーションを守ってほしい」

 DeNA三浦大輔監督はなぜ、一昨年の左肘側副靭帯再建術(トミー・ジョン手術)から“復活途上”の東克樹投手を開幕投手に指名したのだろうか。

 今年のDeNAは、エースの今永昇太投手が左前腕の炎症で開幕に間に合わない。しかし、一昨年10勝、昨年は6勝とはいえ2年連続チーム勝ち頭の大貫晋一投手が、今月6日のオリックスとのオープン戦でも5回2安打無失点の快投を演じていた。2017年と18年に開幕投手を務めた石田健大投手、昨季開幕投手の浜口遥大投手も順調に仕上げていた。

 実際、三浦監督は「大貫の状態もいいので悩みました」と吐露した。ただ、プロ1年目の2018年にいきなり11勝、防御率2.45をマークして新人王を受賞した東の力量は誰もが認めるところだ。昨季は終盤の9月末に1軍復帰を果たし、3試合登板(1勝2敗、防御率2.29)に終わったが、シーズンを通して先発ローテーションで回れれば、開幕後そう遅くない時期に復帰できるであろう今永と“両輪”となって、チームを牽引することが期待できる。

 昨季最下位に沈んだDeNAだが、今年は一転、優勝候補の一角に予想する声もある。東の完全復活なるかどうかは上位躍進の鍵になる。開幕投手指名には、ハマの番長のそんなメッセージが含まれているのかもしれない。

「開幕を任せるわけですから、1年間怪我なくローテーションを守ってほしいし、東がローテーションを守るということは、自ずからしっかりした数字もついてくると思う」と三浦監督。東も「僕自身、状態自体は悪くないですし、1年間ローテーションを守るという強い気持ちがあります」とうなずき、「手術をした以上、この1年間だけでなく、この先何年もベイスターズの柱になっていかなければならないと思っています」と力強かった。

 三浦監督は開幕戦で1つの“賭け”に出た格好。その結果の意味するものは大きく、シーズンの展開に大きく影響しそうだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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