労使交渉難航の裏にメッツ大富豪オーナー? 他球団首脳はさらなる補強に戦々恐々

メッツのオーナー、スティーブ・コーエン氏【写真:Getty Images】
メッツのオーナー、スティーブ・コーエン氏【写真:Getty Images】

労使交渉ではぜいたく税の問題が大きな争点になっている

 新労使協定を巡り機構側と選手会が対立しているメジャーリーグは、レギュラーシーズン開幕が最短で4月14日(日本時間15日)まで延期されることが決まった。米スポーツ専門誌「スポーツ・イラストレイティッド」「スポーツ・イラストレイティッド」のメッツ番記者パット・ラガッツォは「他球団はなぜスティーブ・コーエンとメッツを“恐れている”のか」と、富豪で知られるメッツのオーナーについて触れた。

 今回の労使交渉の大きな争点になっているのが、ぜいたく税の問題。ぜいたく税を回避する上限を引き上げることは、多くのオーナーたちから強い反発がある。そして「そうなればメッツのオーナーであるスティーブ・コーエンが、限度を超えるほどお金を使うのでは、と他の球団が心配しているからだ」という憶測が流れている。

 メッツはロックアウト前に積極的な強化を図ったが、さらに補強を行うと考えられている。米メディア「ジ・アスレチック」の記事では、選手会のジーン・オルザ元最高執行責任者が「他の球団が、スティーブ・コーエンを恐れているのは確実だ」「サラリー(給与)の制限が緩くなれば、メッツは3億ドルくらい金を使うだろう。スモールマーケット球団とビッグマーケット球団の争いがいつも存在する」と述べている。

 昨年12月、米最大の移籍情報サイト「トレード・ルーマーズ」が米経済誌などをソースにした純資産ランキングを公開。そこではスティーブ・コーエンが、実に約1兆8280億円で堂々の1位だった。

 また米ヤフースポーツによると、ロックアウトについて米調査会社モーニング・コンサルトが行った新たな世論調査で、ファンはオーナー陣をより非難したという。調査によると「合意できないのはオーナー側の責任か、選手側の責任か」と聞かれた野球ファンの45%が「合意に達しないのは”オーナーの責任”」だった。他の34%は「分からない、または意見がない」で、残りの21%は「プレーヤーの責任だ」とした。

 2002年の労使交渉や、1994年から1995年のMLBストライキ時の調査では、オーナーよりも選手の責任だという意見が多かった。傾向が変わってきた理由の1つとして、現在はオーナーの巨大な富や、意図に関しての情報がどんどん公になってきているためではないか、という意見が挙げられている。

(Full-Count編集部)

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