外国人も自前で育成 17歳のメキシコ人左腕獲得に見るソフトバンクの“世界戦略”

入団会見に臨んだソフトバンクのアレクサンダー・アルメンタ【写真提供:福岡ソフトバンクホークス】
入団会見に臨んだソフトバンクのアレクサンダー・アルメンタ【写真提供:福岡ソフトバンクホークス】

17歳のアレクサンダー・アルメンタ投手が入団会見

 ソフトバンクに育成選手として新加入したアレクサンダー・アルメンタ投手が15日、福岡・PayPayドーム内で入団会見を行った。アルメンタはまだ17歳で、メキシコ出身の左腕。昨季はメキシカンリーグのキンタナローでプレーした。同席した三笠杉彦GMは「世界中からホークスでのプレーを希望する選手を集めたい」と、海外から若くて有望な選手を集め、育て上げる方針を改めて示した。

 ソフトバンクは、3軍制の拡大に伴い昨年秋の育成ドラフト会議で14選手を指名。さらに4人の外国人育成選手の獲得を発表していた。その先頭を切って入団会見を行ったアルメンタは「日本のチームが僕のことを知っていて、オファーをくれるなんて夢にも思わなかった。セールスポイントはストレートだが、これからもスピードと質を高めていきたい。変化球はカーブとチェンジアップ。日本でレベルアップしてできるだけ早く1軍に上がりたい」と大きな目を輝かせた。

 会見に同席した三笠GMは「育成ドラフトというルートだけではなく、かつてスチュワート投手を獲得したように世界中からホークスでのプレーを希望する選手を集めたい」と改めて球団の方針を口にした。米国でドラフト1位指名を受けたカーター・スチュワート・ジュニア投手を入団させたのは2019年。3年目の昨季は1軍11試合に登板するところまできた。

 選手側にも、米球界でなく日本球界、そしてソフトバンクを選ぶメリットはあるという。「アメリカで下積みするよりは早く一人前になれて稼げるようになるし、治安や野球をする環境はアメリカのマイナーよりずっと上だと思う」と、HAWKSベースボールパーク筑後の施設や、3軍戦の拡大による実戦を数多く用意できるなどの育成環境に胸を張る。

 今季入団する外国人育成選手のうち、アルメンタを含む3選手が2004年生まれの17歳。今後はHAWKSベースボールパーク筑後内の選手寮で、日本人の若手と共に生活をしていく。三笠GMは「日本の文化やプロ野球に慣れてもらえるよう、球団としてもサポートしていきたい」とし、外国人育成選手に独自の研修を行っていくと明かした。

「練習やプレーの支障にならないように考えながら、僕がホークスとはどういう会社だという話をしたり、広報担当が広報対応について話をしたりね。プロ野球選手であることは変わらないので、新人選手研修の資料をスペイン語に訳しながらやっていこうと思う。もちろん日本語の教育も行う予定です」

 さらに「我々にとっても初の試み。将来的には、育成から上がった選手が外国人枠の1枠か2枠を占めて活躍してくれたらと思う」と「育成のホークス」らしさを外国人枠にも生かしていくつもりだ。

(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)

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