日本ハム新球場「エース」の必須条件 2軍本拠地でテスト中、新マウンドへの“適応”

日本ハムの2軍本拠地・鎌ケ谷スタジアムでは新球場で採用予定の土がテストされている【写真:羽鳥慶太】
日本ハムの2軍本拠地・鎌ケ谷スタジアムでは新球場で採用予定の土がテストされている【写真:羽鳥慶太】

日本有数の“高速仕様”の札幌ドームからどう変わる?

 日本ハムは来季から本拠地を、北海道北広島市に建設中の新球場「エスコンフィールド北海道」に移すことが決まっている。2004年から本拠地にしてきた札幌ドームは、国内有数の投手に有利な球場として知られるが、新球場は右中間が狭く、左中間は広い非対称形になるのが特徴で、これまでよりやや打者有利とされる。さらにマウンドの材質が変わり、すでに今春の沖縄キャンプや、2軍本拠地の鎌ケ谷でテストが続いている。新マウンドへの適応は、新たな舞台での“エース争い”にも影響してきそうだ。

 3月8、9日に鎌ケ谷で行われたロッテとのオープン戦。投手が踏み下ろすマウンドの前部が、明るい茶色になっていたのに気付いた人もいるだろう。ここに入れられているのは、新球場で採用予定の粘土「マウンドクレイ」だ。今季は微調整を繰り返しながら、新球場の仕様決定に反映させていく。

 同様のテストは、春季キャンプ地のタピックスタジアム名護でも行われていた。ブルペンのうち2レーンがこの新仕様とされ、札幌ドーム仕様、旧来の黒土という3種類が作られた。新マウンドの投手陣からの評判は、武田投手コーチによると「雨が降った時だけちょっと滑るかなとは言っています。それ以外はこのままでいいと思う」と上々だ。

 関係者によると、この「マウンドクレイ」はメジャーリーグのいくつかの球場で使われているものと同じ。ただ北海道ほどの寒冷地での使用は例がなく、マウンドの作り方については試行錯誤を重ねている。細かい粘土を薬品で固めたような構造で、表面にはクッション性があるが、その下は固いのが特徴だという。

 現在の札幌ドームのマウンドは非常に固く、投手によっては「スパイクの歯が刺さらない」という声まであるほどだ。反発力を使えるため、球速は出やすかった。大谷翔平投手(現エンゼルス)が2016年、ここで日本人最速の165キロをマークしたのにも関係しているだろう。他にもロベルト・スアレス投手(当時阪神)やエドウィン・エスコバー投手(DeNA)も札幌ドームで自己最速の163キロを記録している。

 マウンドの形や固さ、掘れ方は投球にも大きく影響する部分だ。早く対策を立てるに越したことはない。8日のオープン戦、新球場仕様のマウンドで生田目翼投手は150キロを超えるボールを投げ込み、リリーフした吉田輝星投手は4回無失点。毎回安打を浴びながら、粘りの投球を見せた。

 新庄剛志監督は2軍を「BOSS組」と呼び、選手たちのモチベーションを上げるべく目を配っている。マウンドのテストが続く2軍から、アッと驚く「エスコンフィールド仕様」の投手が出てくることもありえる。いち早く適応し、攻略法を編み出した投手が、新球場の主役となる。

【写真】キャンプではベテラン宮西もテスト…色が独特な新球場仕様のマウンド

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