携帯で知った優勝「自分自身が不甲斐なかった」 戦力外のドラ1右腕が再び目指すNPB
社会人野球からの誘いも「40歳、50歳になって後悔はしたくない」
強い決意で挑んだ12月のトライアウトでは打者3人を無安打1四球に抑えたがNPBから声はかからず。今年1月は大学、社会人の先輩でもある西武・十亀から誘いを受け若手らと一緒に自主トレを行った。「モチベーションも上がった。一緒にトレーニング、ピッチングして刺激になった」と、NPB復帰への思いはさらに強くなった。
戦力外となってからは社会人野球などから誘いもあった。将来的なことを考えると職が確約された企業に務めるのが“得策”ともいえるが「一度、社会人にいくともう(NPBに)戻れない。40歳、50歳になって後悔はしたくない。体も気持ちも元気ですし、幸い燃え尽きたことはなかった。モヤっとしたまま、社会人野球にいっても会社に迷惑がかかる」と、NPB復帰を最優先に考えた決断だった。
もちろん、独立リーグからNPBに復帰することが簡単ではないことも分かっている。トレード期限は7月末。シーズンが始まってからの3か月で圧倒的な結果が求められる。
「一つの区切りとして、NPBを目指すというのはこの1年。ストレートが戻れば、しっかりとしたパフォーマンスは見せられる。そこだけですね」
通算226試合に登板し18勝20敗55ホールド2セーブ、防御率3.74と実績は十分。不完全燃焼に終わった去年の悔しさを独立リーグの舞台で見せつけ、再びNPBのマウンドに戻ってくる。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)