1軍の“リング”で「吹っ飛ばされる」危険性も 巨人期待の大勢&山崎らに必要な力

巨人で強打の内野手として活躍した岡崎郁氏【写真:中戸川知世】
巨人で強打の内野手として活躍した岡崎郁氏【写真:中戸川知世】

1年目から見ている坂本勇人は戦える体力が「あった」と岡崎氏

「今、名前の挙がっている3人の調子がいいのは、間違いないのでしょうけど、本当に1軍の“リング”に上がる力が備わっているのかどうかという部分はあります。投げて、登録抹消を繰り返したりしていくことになるでしょう。必要なのは戦うための体力。体が丈夫であれば、いくらでも練習ができますし、今の彼らに必要なのは経験ではなく“体験”。その中での力がつけていく必要があります」

 岡崎氏が2軍監督や1軍ヘッドコーチを務めていた時は、巨人・原辰徳監督に進言することも多くあった。選手を推薦する上で、選手の体力を見極めながら、1、2軍の入れ替えをしてきた。1軍を“リング”と表現したのも、その舞台で戦う厳しさを知っているからだ。

「戦う体力がないと1軍の“リング”に上がっても、吹っ飛ばされてしまう。それだけは首脳陣がしてはいけないと思っていましたし、見極めていかないといけない。原監督は選手の使い方が上手です。期待をしていても(体力がついていない選手を)ずっと、長く使ったりはしません。入団間も無いのに体力があるなと感じた選手は(坂本)勇人くらいですから」

 坂本勇人内野手の入団1年目の2007年、岡崎氏は2軍打撃コーチを務めていた。坂本は同年のシーズン終盤に頭角を現し、翌2008年は松井秀喜氏(巨人、ヤンキースなど)以来の10代開幕スタメンを果たし、その後も全試合に出場した経緯がある。

「(坂本は)シーズンを戦う上での体の使い方がわかっていた。『これ以上無理したら危ない』という感覚を持っていて、自分の身を守れる人。そこがわからず、全力でやって怪我をする選手も見てきました。普段の体力と、試合の体力は別物です。どこかで抜きながらやらないとプロの選手だって、1シーズン、体は持ちません。完封、完投する先発投手が27個のアウトをとる上で、すべて全力で投げているわけではないというのと同じです。100%で行く時もあれば、80%くらいでいくときもないといけませんから」

 これから1軍の“リング”で戦い続けるために必要なのは、体力と余力を持つ感覚を身につけること。首脳陣が若き投手に備わってきたその力を見極めることができたときこそ、“プラスアルファ”の存在から、真の戦力となるだろう。

(Full-Count編集部)

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