巨人の新外国人ポランコが見せた“賢さ” 3安打の打棒だけじゃない貢献度の高さ

開幕戦で3安打の活躍を見せた巨人のグレゴリー・ポランコ(左)【写真:荒川祐史】
開幕戦で3安打の活躍を見せた巨人のグレゴリー・ポランコ(左)【写真:荒川祐史】

「3番・右翼」で先発出場、お立ち台では日本語で「サイコー」

■巨人 4ー2 中日(25日・東京ドーム)

 その躍動する姿に目を奪われた。巨人の新外国人選手、グレゴリー・ポランコ外野手がデビュー戦となった25日の中日戦(東京ドーム)で来日初安打を含む、3安打の活躍。同点の5回2死二塁からは右翼へ痛烈な勝ち越し打を放った。二塁走者の廣岡の生還で、盛り上がるスタンド、ベンチをよそに、冷静に二塁を陥れるクレバーさも見せた。

 緊張感漂う開幕戦。エース菅野もオープン戦から本調子ではなく、捕手を小林を起用したあたりに、巨人ベンチはこの試合は僅差のゲームプランを描いていただろう。1点でも取れるところは貪欲に、安易な失点はしたくない。巨人が5回に見せた廣岡、ポランコ、岡本和の3連続の適時打は見事だったが、ポランコがタイムリーを放った際の相手守備の送球間に、二塁へ進んでいたからこそ、続く、岡本和の二塁打で貴重な1点をもぎ取ることができた。この走塁は大きかった。

 巨人は2点リードのまま、9回にドラフト1位ルーキーの大勢をクローザーに起用した。2死満塁の大ピンチを招いたが、プロ初登板、初セーブをマーク。1点差と2点差では、マウンドでの余裕は全く違うものになっただろう。エースの菅野にも白星がつき、これで球団史上最多の開幕戦5勝という名誉も刻まれ、チームは好スタートを切った。

 この日は来日初安打を含む3安打&勝ち越し打の活躍。菅野と大勢とともにお立ち台に呼ばれたポランコは「今日の開幕戦、ファンの前でプレーできてうれしいです。みなさんの応援のおかげでいいプレーができました。優勝まで頑張っていきます」とあいさつ。最後は日本語で「ありがとうございます。サイコー」と右翼席のファンの心を掴んだ。

 1軍合流してすぐのロッテとのオープン戦(東京ドーム)では、佐々木朗希投手と13球もの勝負で四球を選ぶなど、選球眼の良さを見せつけた。かつての助っ人、アンダーソンのような巧さと対応力を持ち、古くはモスビーのような鋭い打球を放った。クロマティのような人気と実力でチームに勝利をもたらすことができるのか。まだ1試合だが、この日見せた対応力にはVへの使者としての期待感は高まった。

(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY