広島戦力外からNPB復帰で4年ぶり勝利 鷹・藤井皓哉が清宮被弾から生かした反省

「僕は真っ直ぐがあってのフォーク、スライダー」

 そのままチームは逃げ切り、藤井には白星が転がり込んできた。移籍後初となるお立ち台にも上がった。2020年オフに広島を戦力外になり、昨季は四国ILの高知でプレー。そこでの活躍が評価されて、育成選手として今季からソフトバンクに加入した。キャンプ、オープン戦でも結果を残し、開幕直前に支配下登録。そして開幕3戦目で移籍後初勝利まで手にした。

「想像を超えるペースで物事が進んでいっています。開幕前は気持ちがまだ追いついてないところがあった。昨日、マウンド立って打たれましたけど、ここでやっていくんだとより感じられました」。目まぐるしく進んでいく日々、変わっていく環境に戸惑いながらも、なんとか整理をつけながらプレーする。

 清宮に被弾した前日の試合も糧として生かした。「清宮くんに対してもですが、変化球、変化球になってしまった。僕は真っ直ぐがあってのフォーク、スライダーだと思う。真っ直ぐで押していけばよかったと反省があったので、それを生かせた」。ストレートで押していってこその変化球。ほろ苦い移籍後初登板で己の投球スタイルを思い出した。

 左手にはめた赤いグローブ。「高校の監督、現役選手、関係者、OBの人に寄付してもらったグローブで、苦しい時に応援してくださる方が本当に大事だと思う。あのグローブを使おうと思っています」。ソフトバンクで新たに始まったNPBでの日々。この1勝はゴールではなく、藤井にとってまた新たなスタートになる。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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